Column

コラム


オンライン前提のマーケティング&セールス戦略 ーvol.3ー

新型コロナウイルスの影響を受けて、市場を取り巻く環境が大きく変わりました。
何が変わり、どんな影響があり、これから何が求められるのかを考えます。


■いずれ来る需要反動に向けた準備が大事

さて、このような情報を見ていくと住宅業界の未来が暗くなりそうですが、必ずしもそうではありません。
なぜなら、歴史を振り返ってみてわかる通り、需要が大きく落ち込んだ後には、落ち込んだ分と同等、またはそれ以上の需要反動が起こることがほとんどだからです。
例えば、リーマンショック後は消費が大きく落ち込みましたが、その後の回復期ではより大きな需要反動が起きました(図4)。

新型コロナウイルスがリーマンショック以上の消費の落ち込みを伴うのであれば、新型コロナウイルスが収束した後には、リーマンショック以上の需要反動があるかもしれません。
重要なのは、その需要をどのように獲得するか。そして、そのための準備として、今、何をするかです。

■自粛解除までにいかにクロージング面談数を確保するかが大事

上記の点を踏まえて住宅販売のマーケティング&セールス戦略を見てみると、従来の戦略は、広告やWebサイトなどを見込み客の入り口として、ファンを増やし、リアル(フィールドセールス)での商談や契約につなげる流れでした。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受けると、リアルの部分が実行できません(図5)。

 

前述したように、モデルハウスでの案内、展示場での集客、イベント、セミナーといったことができず、消費者側も「展示場に行く必要はない」「セミナーは自宅のPCで見ればいい」と考えるようになります。
そのため、これからのマーケティングでは、この部分を代替するインサイドセールスが必要です。
具体的には、Webサイトを通して反響(資料請求や来場予約など)した見込み客(リード)を、オンラインのセールス施策でファン化させるリードナーチャリングを行うということです。
リードナーチャリングの施策としては、リモートによる打ち合わせ、リモートのショールーム案内、VR見学会、オンラインセミナー、動画コンテンツの配信などが挙げられるでしょう。

とはいえ、住宅購入の意思決定をいただくクロージング面談を、オンライン上で実施するのはかなりの営業力が求められます。そのため、自粛要請中にどれだけリード獲得およびリードナーチャリングを実施し、自粛解除になったときに、クロージング面談案件をストックしておくのかが非常に重要です(図6)。

 


※本稿は、2020年4月に開催した「地域密着ビルダー成長戦略フォーラム」で登壇した当社コンサルタントの講演内容を編集したものです。

 

<PREVIOUS

NEXT>

 

本コラムを紙面でご覧頂きたい方は上記より資料をDLください