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コラム


レビュー・プレビュー

レビューとは、「再検討」或いは「復習」という意味のこと。

部下が構築した仮説や作成資料に対して

成果到達=成果を創出するために、

上司が行うアドバイスやそのアドバイスする場を指す。

 

 

 

一方、プレビューとは、「予習」という意味で、

物事を行う前に、上司がアドバイスを行う事をいう。

 

 

 

御社では、成果が上げられるように上司が部下に対して

正しいレビューを行えているだろうか。

 

 

 

2つのケースで、どちらに近いか振り返ってみてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

■  業績が安定しない組織のレビュー

 

 

 

【店長】

 

「今後の見込み客と案件状況について報告してほしいので、

順番に発表してくれないか」

 

(案件管理表と活動データ集計表を見ながら)

 

 

 

【店長】

 

「A君、見込み客案件が少ないね。どうして少ないの?

その原因は何なの?状況を報告してくれ」

 

 

 

【営業マンA】

 

「すみません。行動はしているのですが

なかなか『有望な客』に当たらなくて・・・」

 

 

 

【店長】

 

「行動数が少ないんじゃないの?

実際に、この面談数じゃ足りないと思うんだけどね」

 

 

 

【営業マンA】

 

「はい。もう一度、顧客カードに電話営業をしてみます。

そこからなんとか見込み客をあと2件発掘してみます」

 

 

 

【店長】

 

「よし分かった。2件発掘だね。がんばってくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

■  安定的に業績が上げられる組織のレビュー

 

 

 

【店長】

 

「案件管理表と活動データ集計表を

準備してくれているかな?」

 

(案件管理表と活動データ集計表を見ながら)

 

 

 

【店長】

 

「今、見込み客案件が少ないようなので、

今日のレビューでは、一人ずつのデータに基づく

現状の把握を行いたいと思う。」

 

 

 

「おそらく現状だと、来月の案件が充分に確保できないので、

見込み客案件を一人2件、今月末までに確保できている

状態を達成するための施策を考えよう。」

 

 

 

「A君、B君、それぞれ意見を出してもらいたい。」

 

 

 

 

「ではA君から、発表してくれるかな。」

 

 

 

 

 

 

【営業マンA】

 

「来月度の契約を目指して、今月は2件の案件を

発掘することを目標に活動してきました。

 

 

前半は管理客カード35件に訪問しましたが、

案件が1件も出てきませんでした。

 

 

このままでは駄目だと思って、まずは話を聞いていただけるような

関係づくりをするために、DMを送った後で電話フォローを

しようと考え、ためしに20件に実施してみました。

 

 

 

DMを送って、お客様の手元に到着した頃を見計らって

電話フォローするようにしたら、3件の反応があり、

1件のアポがとれたので訪問しました。

 

 

 

その結果、見込み客として挙がってきました。」

 

 

 

 

【店長】

 

「A君すごいね。その電話フォローのトークを、

もっと詳しく教えくれないかな。

B君は、その内容を今後も活用できるような形にまとめてくれ。」

 

 

 

【店長】

 

「次に、B君の活動状況と案件状況はどうかな?」

 

 

 

【営業マンB】

 

「はい。私は11件しか訪問していませんでした。

A君の話を聞いていて、これでは全然行動量が

足りないなあと感じました」

 

 

 

【店長】

 

「なるほど。ただA君の発表では、

行動量ではなくて活動の内容を変えたことで、

成果が上がったということだったよね。

 

 

B君も、おそらく今のまま行動量だけを増やしても

成果にはつながりにくいと思うので、まずはA君の成果が

出たやり方を真似して、それを実践してみてはどうだろう」

 

 

 

 

【営業マンA】

 

「そうですね、わかりました」

 

 

 

【店長】

 

「では最後に、今日のレビューの決定事項を確認しよう。

まずB君から行動を確認するね。」

 

 

「A君が工夫した点を実施できるような形で、

電話トークをまとめて欲しい。その作業はB君の

勉強になると思うので、B君に頼みたいんだ。」

 

 

「明日の昼12時までに私に提出してくれるかな?」

 

 

 

 

【営業マンB】

 

「はい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

■  レビュー・プレビューの目的

 

 

 

営業会議は組織的な課題を参加者全員で意見を

出しながら結論を導くのに対して、レビュー・プレビューは、

レビューを行う者(管理者)が明確な事前仮説を持った上で

個々人に具体的なアドバイスすることに意味がある。

 

 

 

しかし、

上司がどんなに一生懸命指示を出しても、

部下が納得して行動を起こさなければ決して成果に結びつく事は無い

 

 

 

だからこそ、仮説はデータに基づいた、

成功確率の高い内容であらねばならない。

 

 

 

では、正しい「レビューのポイント」とは何か。

 

 

 

 

1)現状把握

・・・・適切な形で報告を受け、進捗を管理する

 

 

2)課題分析

・・・・現状と目標のギャップの原因を論理的に分析し課題を導く

 

 

3)施策立案

・・・・さまざまな視点から創造的な施策を考え出す

 

 

4)行動計画

・・・・具体的(「詳細・鮮明・定量的」)な行動計画を作成する

 

 

 

ちなみに、営業マンに対する契約に向けたレビューの

ゴールは下記のようになる。

 

 

 

 

1)なぜ・何のため

・・・・案件の契約率を上げるために

 

 

2)誰が

・・・・マネージャー(店長)が

 

 

3)誰に対して

・・・・部下に対して

 

 

4)何を

・・・・・案件に対する今後の動き方が明確になるような指導を行い

 

 

5)どの状態に

・・・・成功イメージを持って、行動をおこさせる状態が作れている。

 

 

 

 

正しいレビュー・プレビューを行えば、

確実に人財育成、成果創出につながる。

 

 

 

 

質の高いレビュー・プレビューが出来ているか。

今一度、振り返ってみよう。