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規模に応じた効果的・効率的な会議のポイント ~ムダな会議を無くしつつ、環境変化に対する適切な意思決定を行うには~(前編)

■ はじめに

住宅会社の置かれた環境変化のスピードが増々速くなってきています。クライアントの社長からは、目の前の問題に対して対策を打っても次の問題がすぐに出てくると話を頂きました。そのように感じていらっしゃる経営者は多いのではないでしょうか。

一方で、環境変化のスピードが速くなる中で、次の変化に向けた環境整備を進めていたり、更に営業力を強化する為の手を打っていたり、と環境変化に着実に対応されている会社があります。

目の前の問題に追われる会社と、着実に次の一手を打てている会社の違いはどこに出てくるのでしょうか?それは、意思決定のスピードと的確さです。

経営環境の変化に対して、早い的確な意思決定をする為には、現場の情報を早く吸い上げて経営者が正確に判断出来る環境を作る事が非常に大切になります。一方で、規模が大きくなってくると、現場の情報に対して、一つ一つ経営者が判断するのではなく、ある程度現場の意思決定によって環境変化に対応していく事が求められるようになります。

今回は、今後の環境変化のスピードに対応する為に、意思決定の重要な現場の一つである会議に焦点を当てて、内容を書かせて頂きました。会議を上手に活用して、決定事項を着実にこなし徹底出来る会社や、会議以外のマネジメントの体制を整備し、進捗状況や課題を見える化して意思決定に必要な時間を減らしている会社などの事例を取り上げつつ、皆様の経営に役立てて頂ける内容をお伝え出来ればと考えています。

■ 会議によって年間棟数の2割分の時間が費やされる!?

いくつかの住宅会社を見ていくと、会議が多い会社と少ない会社が見受けられます。例えば、同じ地方で100200棟やっているA社とB社を見てみましょう。

例えば、月間労働時間が250時間だとすると、その中で少なくともA社は32.5時間、B社は5時間を会議に使っている事になります。同じような特徴を持つ会社なのに、会議だけで月間27時間もの差が出ているのです。これを年間に直すと、1324時間の差となります。仮に100人の会社だとすると、単純計算で32,400時間です。

A社の工務部門が1棟にかける仕事時間は、調査の結果約60時間である事が分かりました。その為、A社の工務はB社に比べると年間5棟分を管理出来る工数を、会議の時間に費やしているという事が出来ます。

仮にA社の工務が10人だとすると、50棟分の工数を、B社に比べてA社は会議に投下している事になります。数字だけ見ても無視出来ない大変な時間です。会議が多い会社では、営業活動や家づくりに使えていた時間を会議に投下していることになります。

では、会議を無くせば良いのかというと、事業を進める上で、会議で適切な意思決定をしたり、情報共有をしたりする必要性を考えれば、単純に無くせば良いと判断することは出来ません。問題は、目の前の会議は本当に必要なのかどうかです。会議が必要なのにやらずに物事がきちんと進まない会社もあれば、不要な会議をたくさんやってしまい、社員が営業活動や家づくりに時間が使えずに困っている会社もあります。必要な会議は出来ていますか?もしくは、皆さんがやられている会議は本当に必要でしょうか。

■ 会議が増えてしまう3つのポイント

なぜ会議の時間は増えてしまうのでしょうか。会議は目的があって設定したはずですから、本来は必要な会議のはずなのです。会議の時間が多い会社とそうでない会社が出てしまうのはなぜでしょうか?結論は、会社の規模やマネジメントの仕組みが変わったのに会議体系を見直していない事にあります。実際に、代表的な3種類の会議形式を取り上げて、それぞれの増えてしまう理由を確認してみましょう。以下が、代表的な会議の形式です。

上記のそれぞれについて、組織として陥りやすい問題があります。

まず、①に関しては、「会議の場で、報告すれば良いと考えている」問題です。そもそも会議をやらずとも報告出来るかもしれないのに、報告の仕方を見直さずに社員の増加とともに、会議に使っている時間が増えてしまう問題です。

次に、①②の両方について言えるのが、「ついで参加をさせてしまう」問題です。会議を運営する側(たとえば、社長や経営幹部)はその場で意思決定をしてしまいたいので、あの人もこの人もという形で、意思決定に関与しそうなメンバーをなるべく集めてしまおうとします。結果、会議内容にあまり関係ない人まで会議に参加しなければならないという状況が生じます。

また、情報共有は大切だからとついつい会議に参加させてしまったり、理念浸透は大切だからと会議を増やしてしまったりするケースも見受けられます。

最後に、③に関しては、「社員の本来の業務をプロジェクト会議で圧迫してしまう」問題です。「社員の満足度向上プロジェクト」「仕様標準化プロジェクト」など、一つ一つは良い取り組みであるものの、同じようなプロジェクトをいくつも作っては社員の営業活動や家づくりの時間を奪い、結果として、業績が厳しくなり、中途半端に終えてしまう。

このような会社で見受けられる状態としては、営業活動や家づくりに集中して余裕が出来たらまたスタートするという事を繰り返し、なかなか会議が実らないことも多いのです。

◎ 会議が増えてしまう3つのポイントまとめ

①会議の場で報告すれば良いと考えてしまう

②ついで参加をさせてしまう

③社員の本来の業務をプロジェクト会議で圧迫してしまう

上記のように、会議が増えてしまう理由を見ていくと、会議が必要になる大義名分があったり、昔ながらの方法をより良いものに変えていくだけの見直しが出来ていなかったりするのが原因だという事が分かります。本当に会議が最適な手段なのか、費用対効果が合うのかという事をしっかりと考える必要があるのです。

◎ 会議の見直しのポイント

①本当に会議が最適な解決手段なのか

②費用対効果が合うのか

とはいえ、一つ一つの意思決定をするのに、会議が必要かどうか、会議以外の方法で適切な方法がないかと考えながら、経営者が指示を出していたのでは、事業として一番大切なスピードが失われてしまいます。経営者としてみれば、会議でメンバーを集めて、一気に意思決定をしてしまいたいと考えるのは当然の事ですし、また、事業成果にとってもそういった会議運営が成果につながる会社が多い事も事実です。

その為、次の章では、住宅会社の規模に応じて、どんな会議が必要か、また、どの規模になると会議以外の仕組みを作っていく必要があるかを明らかにして、皆さんの経営に役立てて頂きたいと思います。

 

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