Question.
国際税務においては、なぜ、そしてどのようなリスクが発生するのですか?
Answer.
1) 日本と海外をまたぐ取引では、両国の税法、さらに租税条約が関連します。
そのため、制度や見解の違いにより、「予想外の課税処分」を受けるリスクがあります。
2) 日本と海外の両方で課税される、いわゆる「二重課税」のリスクがあります。
国をまたぐ取引の事例
会社は、ごく自然に国境をまたぐ取引を行っています。
たとえば、以下のような取引です。
このような取引においては、「日本」と「海外」のそれぞれの立場から、両国の税法
にのっとった判断がなされます。また、両国の間で「租税条約」が締結されている
場合には、税金負担関係が調整される場合があります。そのため、取引が終了
したあとになって(税務調査等の結果)予想外の追徴課税が発生する、
または同じ取引について2回課税される、というケースが生じる可能性があります。
「予想外の課税処分」を受ける事例
日本と海外では、税務上の立場が異なります。そのため、取引時点で問題ないと
思っていても、税金を確定する時点で、日本または海外から予想外の課税処分
をうけてしまう事例があります。たとえば、以下のようなケースです。
「二重課税」が発生する場合
また、一つの取引において企業が「2回」税金を払っており(二重課税)、
企業としては税金を「取り戻さなければいけない」ケースもあります。
たとえば、以下のような事例です。
会社に求められる姿勢
このような取引は、海外とのあいだで日常的かつ継続的に行われます。そのため、
小さいリスクが日々積みかさなり、結果的におおきな金額に膨れ上がっていた、
というケースが多くあります。会社としては、どのようなリスクが発生するかを
事前に予測し、リスクに耐えうる体制や文書を「先手で」整える姿勢が重要です。
また、二重課税のケースにおいては、黙って「泣き寝入り」にならないよう、
しっかりと税金を取り戻す対策が必要となります。
次月以降、それぞれのケースの内容をくわしくご説明していきます。
※本記事は、弊社の提携パートナーである、みらいコンサルティンググループによるものです
【みらいコンサルティンググループ会社紹介】
1987年創業。従業員数約200名(海外拠点を含む)。
日本国内に9拠点、海外(中国・ASEAN)5拠点に加え、
ASEANにジャパンデスク9拠点を有する。
公認会計士・税理士・社労士・ビジネスコンサルタントが一体となる
「チームコンサルティング」により、中小中堅企業のビジネス展開を
経営者目線から総合的にサポート。
株式上場支援、働き方改革の推進、組織人材開発、
企業を強くする事業承継やM&A、国際ビジネスサポート等で
多数の支援実績がある。
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