Column

コラム


「住宅経営」The Housing Business Review vol.1

なぜ、中期経営計画を作り直す住宅会社が増えているのか?

コロナ、原価上昇などで予測不能な3年を経て
他の住宅会社は、次の3年をどのように描いているか



■中計を作り直す住宅会社が増えている理由

住宅不動産会社の経営者にとって、2020年から2022年の3年間は不測の変化に対応せざるを得ませんでした。
コロナ禍、ウッドショック、戦争、原価のさらなる上昇、スタグフレーション…今の経営者が経営を始めてからほとんど経験したことのない事態が起き、先の見通しが立てづらく、自社の事業計画を修正したり、状況に合わせた対応をせざるを得なかったのがこの3年間でした。
2023年からの3年間も激動であることに変わりはありませんが、方向性は見えてきており、大きな環境変化に対応する準備をしておくことをシナリオに入れ、その予測シナリオを組み込みながら、新たな中計を作り始めています。
また、経営者は自分の経営の期限を決めて取り組んでいる中で、過去3年間は未来に向けた前進が実質ストップしてしまい、残された時間が短くなっていることに焦りを感じていることも大きいと言えます。
自分に残された時間で、どのように経営を前に進めていくのかを中期スパンで見つめ直していることも、中計を見直す会社が増えている要因と言えるでしょう。

■住宅会社が陥りやすい、中計策定の落とし穴

そのような状況の中で、多くの住宅不動産会社が中計を作り直していますが、弊社が中計のご相談をいただく中で、陥りやすい落とし穴があります。
その落とし穴とは、端的に言うと、「今までの勝ちパターンをもとに、新たな戦略・戦術を考える」ことにあります。
不安定な外部環境の中で、自社が今までの経営経験からイメージできる勝ち方を起点に、中期経営計画や事業計画=数値計画を立てることがベースになることです。
たしかに経営者がイメージできない勝ち方は実際に実現できませんので、一見その判断は合理的なように見えます。
不安定な世の中で今まで積み上げてきた資産や強みに判断の根拠を求めることは自然なことです。
しかしながら、これからの3年間は自社がイメージできない勝ち方をイメージし、実現していくことが求められます。
今までの自社の強みや実績を否定するような勝ち方を、市場や新たなお客様を見つめながら作り上げていく必要があります。
例えば、自社販売が強みだったところを外販を検討したり、今までの自社のブランディングをがらっと変えるなど、今までの自社には「合わない」とされてきた意思決定を行い、未来を見つめて自社を変えていくことが、自社が策定する中計で考え切れていないと言えます。
すなわち、未来に向けた戦略的な意思決定がされていないということです。

■どうしたら未来に向けた戦略的な意思決定ができるか?

戦略的な意思決定のポイントは、「これからの市場や自社の商圏がどのように変わっていくか」を、データやファクト(事実)できちんと予測してシナリオを立てることです。
普段からデータを見ていると思われるかもしれませんが、例えば自社の商圏において「中古住宅のエンドユーザーの購入がどれくらい伸びているか」や「リフォーム需要がどれくらい増減しているか」という予測データを見ている会社は意外と少ないというのが実状です。
なぜなら、商圏に絞ってみていくと、その直接的なデータが見つからないことが多いからです。
そのため、推計で予測データを割り出していくことが必要になり、そのデータを見つめて意思決定している住宅会社はまだまだ少ないということが言えます。
世の中の大きなうねりに加えて、自社が展開する商圏、未来に展開する商圏において今後何が伸びていくのか、何が成功要因となるのかを、データやファクト(事実)に基づいた予測シナリオを見つめていくことが戦略的な意思決定において重要です。

もう一つのポイントは、端的に言うと「外部の専門家の目線を入れる」ことです。
戦略的判断は「情報の量と質」が重要です。
自社の目線に寄らない情報を多く保有しているパートナーを見つけて、一緒に中計を策定することが戦略的な意思決定においては効果的です。
未来に向けた経営の新たな角度を描く上で、「自社にない観点」と「情報の量の増加、質の向上」によって、自社が今までイメージできなかった勝ち方を、新たにイメージできることが外部活用の最大のメリットです。

リブ・コンサルティングでは、伸びている住宅不動産会社のデータや事例、商圏ごとの市場データ、予測データを豊富に保有しています。
伸びている住宅会社ほど、リブ・コンサルティングのそういった情報をご活用いただいています。ディスカッションのパートナーとして、中計策定のパートナーとしてお気軽にご相談ください。

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