0.4~0.6[W/㎡K]
この数字は、気にかけている方も多いであろう。
2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」において、
政策目標として設定されたZEHの判断基準の1つである 地域別UA値である。
改めて、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは
外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより
年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅 」を言い、
「2020年までに標準的な新築住宅で、
2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す。」と目標が設定された。
詳細なZEHの要件は以下の通りである。
① 強化外皮基準(1~8地域の平成25年省エネルギー基準を満たした上、
UA値 1、2地域:0.4[W/㎡K]相当以下、3地域:0.5[W/㎡K] 相当
以下、4~7地域:0.6[W/㎡K]相当以下)
※地域割は図1を参照
② 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から
20%以 上の一次エネルギー消費量削減
③ 再生可能エネルギーを導入(容量不問)
④ 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から
75% 以上 100%未満の一次エネルギー消費量削減
図1:地域割
将来的なZEH義務化に向けて、すでに義務化が決定している
平成25年省エネルギー基準に定められるエネルギー消費量の計算方法に従い、
よりレベルの高い基準と、総合的な省エネルギー性能が求められるようになる。
ここで生じる問題の1つに、住まい手にこれらの制度をどう説明し、
必要な初期費用を支出することへの理解をどう深めてもらうかということがある。
類似制度を見ても、図2において省エネ評価・水準による分類をしているが、
認定低炭素住宅、スマートウェルネス住宅、LCCM住宅等種類が多く、
それぞれの違いや関係性を理解するのは容易ではない。
図2:省エネ類似制度
ゼロエネルギー住宅には当然、高断熱、高気密性能が必要であるが、
そのために建築素材のグレードを上げる必要がある。
このコストアップをそのままお客様に負担させるのか、自社努力をするのか。
住宅購入検討者にしてみれば会社選び、住宅ローン、間取りなど、
考えなければならないことは山積みであり、
その中で先々の健康問題・住宅性能を高めるために必要なコストを
理解するゆとりがないかもしれない。
よりわかりやすく説明する努力をしたところで、
価格ハードルには勝てないかもしれない。
それゆえに、出来る限りのコストダウンをして、
説明不要な価格で提供する努力が不可欠だろう。
どちらにしろ、この機会に早期対応することで、自社の強みと見せるのか。
義務化決定後に対応するだけにとどまり、遅れを取るのか。
消費増税駆け込み需要とその後の冷え込みに向け、
性能面での打ち出し方が今後の住宅市場のポイントになることは間違いない。
性能を高めた上で最低限のコストアップにとどめることができれば、
他社との差別化になり、お客様に訴求できる強みになるだろう。
そのためには、現状の建築コストが適性かを判断する必要がある。
とはいえ、競合他社の取引業者との契約内容はそう知ることが出来るものではない。
そこでおすすめするサービスが、「全国一斉建築コスト診断」である。
(詳細は、下記URLを参照)
http://www.libcon.co.jp/handr/lp/costdown160410/
全国の住宅会社を対象に同じ建築図面と仕様で見積もりを作成いただき、
全国平均、最低値などを算出する。
これにより自社の建築コストダウンの余地を把握することが可能になる。
より高性能で健康・快適な暮らしを適正な価格で提供するために、
一度、建築コストの見直しをかけてはどうだろうか。