国は、「新成長戦略」にて、
2020年までに中古住宅流通・リフォーム市場を倍増させ、
20兆円市場を目指すことを掲げている。
果たして、この倍増計画は達成できるのだろうか。
直近、2014年のリフォーム市場規模は、
6兆6511億円と、前年比4.4%減となっている。
(矢野経済研究所発表)
倍増どころが、減少しているが、
これはご存知の通り、消費増税の反動が大きく影響している。
もちろん、2013年まではリフォーム市場は拡大傾向にあった。
しかしながら、2012年から2013年にかけての
駆け込み需要を含んだ伸びが12.3%だったことを見ると、
倍増計画はたやすくないことが分かる。
同研究所は、将来予測を2020年までに7.3兆円に拡大、
その後、世帯数減少の影響から縮小基調に向かうと予想している。
一方、野村総合研究所では、
2030年まで6兆円台での推移を予想しており、拡大せず横ばいの考えだ。
このような予測を見ると、
倍増計画がかなり厳しい目標に見えてくる。
対して、政策的支援としては、
リフォームローンを組みやすい環境整備や、
エコリフォームに対する補助金の付与、省エネポイントの復活・追加がある。
これらの施策をいかに民間リフォーム事業者が活用し、
どのように顧客創造の取り組みをするかで、市場の拡大は左右されるだろう。
また最近では、他業種とコラボした動きが目立つ。
百貨店や駅ビルに展示会場を設け、アクセスをよくするだけでなく、
これまで接点のなかった潜在客にもアプローチを図っている。
さらに大きなニュースとして、大企業の業界参入に続き、
今年6月に「amazon.co.jp」にリフォームストアが開設したことが報じられた。
オンラインストアとしてEC市場の約18%のシェアを誇る、
アマゾン社の参入は、
一般消費者にとってリフォームがより手軽になり、顧客創造が期待できる一方、
既存の顧客接点しかもたない事業者には、逆風となる。
地域の住宅ビルダーや工務店がリフォーム事業を強化していくには、
これまで以上にオーナー様との関係性を深め、
「家のことなら何でも相談できる」
というポジションを獲得する活動が必要となるだろう。