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若手強育Vol.14 「しつこさ」と「熱心さ」の違い

―「しつこさ」と「熱心さ」の違い―

あなたは若手営業メンバーから、このような報告を受けたことはないだろうか。

 

 

 

若手営業メンバーが、ある案件を接客したところ

お客様の印象は悪くない様子。

 

 

 

あなたも状況は都度見ていた。

あなたから見ても印象は良かった。

 

 

 

しかし、最後にお客様から次の様に言われたという報告を受ける。

 

 

 

お客様:もう少し考えさせてもらえるかな。

色々と迷っていて・・・

決めたら連絡して、また来るから!

 

 

あなたは、思う。

「色々って何んだ?」

 

 

 

営業メンバーは言う。

「私も聞いたのですが、『まあ、大きな買い物だからね、

決めたら、連絡するよ』と言われました。」

 

 

「それ以上詰めたら『しつこい』と言われそうだったので、

あまり聞けませんでした。」

 

 

 

なにやらため息が出そうな、若手メンバーの報告である。

 

 

 

若手メンバーは、お客様に「しつこい」と言われることが怖い。

 

 

もし言われてしまうと、その後フォローができなくなってしまう。

そう考えている。

 

 

 

そんな若手メンバーの報告を受けて、あなたは、こう指導したことはないだろうか。

 

 

 

「『しつこい』と言われてからが営業だろ!

なんでそこからもう一歩踏み込めないんだ!!」

 

 

 

その後、あなたの指導を受け

若手メンバーはお客様に連絡するも、結果は同じ。

 

 

1週間経っても、2週間経ってもお客様からの連絡は来ない。

 

 

 

この様なケースでは、結果として

「連絡がつかなくなる」もしくは、「他で決めた」

となる事が多いのではないだろうか。

 

 

 

■非契約者の声

 

 

 

とある注文住宅の会社で、

過去1年間の非契約者を対象にアンケート調査を実施した事がある。

 

 

 

その住宅会社の初回接客時の満足度は、

非契約者でも「大変満足」もしくは「満足」が約75%とまずまず高い。

 

 

 

非契約者うち、約40%の方は他社で契約済みだが、

約50%の方はまだ検討中のお客様である。

 

 

 

このデータを見ると、まだまだ追える案件が

あることが分かる。

 

 

 

ちなみに初回接客後のフォロー状況については

「頻繁にフォローがあった」と回答した方は、4%にも満たない。

「何度かフォローがあった」と回答した方でも、30%程度である。

 

 

 

多くの方にとって住宅は、一生に一度か二度の大きなお買い物。

何度かしか会った(話した)ことがない、

信頼できるかどうかも分からない営業担当者から

どれだけのお客様が「買おう」「建てよう」と思うだろうか。

 

 

 

営業メンバーから見ても、初回接客時のお客様の印象は良い。

事実、お客様の満足度も高い。

しかし、フォローがされない。

 

 

 

営業メンバーの気持ちも理解はできる。

最初は良い感じで進んでいても、

お客様から「しつこい」と言われてしまうのが怖くて、

身動きが取れなくなってしまうのだ。

 

 

 

一方で、お客様からこんな声も挙がる。

 

 

 

「熱心さが足りなかった」「売る気が感じられなかった」

だから、買わなかった。

 

 

 

■「しつこさ」と「熱心さ」の違い

 

 

 

「しつこい営業」と「熱心な営業」の違いは何だろうか?

 

 

 

営業は、「しつこい」と言われてからが勝負なのだろうか?

 

 

「しつこい」と言われても、

足繁くお客様の家を訪問し、連絡を続ければ良いのだろうか?

 

 

そうすると、いつしか「しつこい」が「熱心」に変わるのだろうか?

 

 

 

いや、そんなはずはない。

是非、あなたも部下に次の質問をして頂きたい。

 

 

 

その答えは1つである。

「それは、『誰のため』のフォローになっているのか?」

という事だ。

 

 

 

「しつこい」と言われる営業メンバーは、

「自分のためだけ」のフォローを行っている。

 

 

 

「その後のご状況いかがでしょうか?」

「他の会社さんもご覧になりましたか?」

「今週末、イベントをするので、来て下さい」

 

 

 

営業メンバーから、その様な情報をもらっても、

お客様にとって、何がプラスになるのだろうか?

 

 

 

ただ営業を進めたいだけでアプローチを重ねても

お客様からすると、時間の無駄である。

 

 

 

結果、「決めたら連絡する」になるのである。

 

 

 

「熱心さ」を感じて頂けるフォローとは、

お客様の検討が前に進むことに配慮したフォローである。

 

 

 

つまり、「お客様のためのフォロー」であるということだ。

 

 

 

「先日お客様がおっしゃっていた~~について調べて参りました」

「実際に手元からお金が出るタイミングを気にされていたので、

お客様のご状況に合わせた一覧表を作成して参りました」

 

 

 

お客様も自分のために考え持ってきてくれた情報には感謝し、喜んでくれる。

 

 

 

もちろん、情報提供だけではダメだ。

 

 

良い情報だけ提供していても、お客様は満足できない。

意思決定の踏ん切りがつかない。

 

 

 

だから「決めて欲しい」という気持ちの後押しも大事なのだ。

 

 

 

「このお客様に間違いのない家づくりをして欲しい」

「このお客様に自社の家に住んで頂きたい」

 

 

 

お客様が意思決定できれば、自分の喜びにもなる。

 

 

お客様にも自分にも嬉しい結果に向けて、一生懸命考えてフォローする。

そうすると、必然とお客様の反応も変わってくる。

 

 

 

「○○さんが熱心だから、あなたの会社で建てることに決めたよ」

 

 

 

この言葉こそ、この仕事をしている上で、無上の喜びではないだろうか。

 

 

 

お客様のために、「しつこい」から「熱心」へ

 

 

 

御社の営業メンバーは、「自分のためだけ」のフォローをしていないだろうか。

 

 

 

是非、営業メンバーに質問して頂きたい。

「それは、誰のためのフォローだ?」と。