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コラム


5つの成果

企業が求めるべき成果とは何だろうか?

売上アップや利益率改善などの「業績」成果はもちろん大事だ。

しかし、他にも求めるべき成果はある。

 

 

 

我々リブ・コンサルティングは、企業が追及すべき成果は

5つあると考えている。

その「5つの成果」について今回は紹介したい。

 

 

 

 

 

■「5つの成果」とは?

 

 

 

 

企業が継続的な成長発展を実現するためには、

「業績」のみならず、「CIS(顧客感動満足)」「EIS(社員感動満足)」

「人財育成」「より良い仕組み」の5つの成果をバランスよく高めていくことが

大事だと考えている。

 

 

 

なぜならば、短期的に「業績」だけ成長しても

それは偶然の産物に過ぎないからだ。

「成長」ではなく単なる「膨張」の可能性すらある。

 

 

 

一方で、継続的に「業績」を伸ばしていくためには、

それ以外の4つの成果が重要となる。

 

 

 

「CIS(顧客感動満足)」

「EIS(社員感動満足)」

「人財育成」

「より良い仕組み」

 

 

 

 

は、企業の基礎体力とも言えるべきものであり、

本当の意味で強い組織になっていることを示すものである。

 

 

 

言い換えるならば、「5つの成果」それぞれを

バランスよく高めることができれば、

継続的な成長を実現することができる。

 

 

 

ここで「5つの成果」について

一つずつ詳しく見ていきたい。

 

 

 

 

1)CIS(Customer Impressive Satisfaction)顧客感動満足

 

 

 

 

顧客が自社の商品・サービスにどれだけ感動・満足してくれて

いるかという成果指標。

 

 

 

一般的に「CS(顧客満足)」と呼ばれているが、

「満足」レベルではなく顧客の期待値を超える「感動」レベルを

目指すことが大事だと考えているため、

あえて「CIS(顧客感動満足)」となっている。

 

 

 

 

 

2)EIS(Employee Impressive Satisfaction)社員感動満足

 

 

 

 

自社の社員が、どれだけ会社や仕事に満足しているかという成果指標。

顧客と同様、期待値を超えた「感動」を目指すことで社員の

ロイヤルティやモチベーションが高まる。

 

 

 

 

3)人財育成

 

 

 

 

「社員の成長」という視点での成果である。

人の成長なくして、会社の成長なし。

 

 

 

 

4)より良い仕組み

 

 

 

 

「仕組み化が出来ている度合」を示す成果指標。

 

 

 

どれだけ優秀な人財がいたとしても、人だけに帰属した

ノウハウはその人がいなくなってしまえば途絶えてしまう。

個人の頑張りだけでは成果にバラつきが出てしまう。

 

 

 

「より良い仕組み」があることで効果・効率、成果の再現性を

高めることができる。

 

 

 

 

5)業績

 

 

 

一般的な「業績」成果のことで、受注や売上、利益のこと。

 

 

 

「CIS」「EIS」「人財育成」「より良い仕組み」

の成果によって、結果として「業績」が

上がっている状態が望ましい。

 

 

 

 

 

■ディズニーにおける「5つの成果」

 

 

 

 

「5つの成果」を高いレベルで実現している企業として

株式会社オリエンタルランドの取り組みを紹介したい。

 

 

 

 

周知の通り、オリエンタルランドは

ディズニーランド(シー)を運営している会社だ。

 

 

 

同社は「業績」だけではなく、

「CIS」「EIS」「人財育成」「より良い仕組み」

でも高い成果を上げている。

 

 

 

 

【CIS】

 

 

 

 

ディズニーランドの「CIS」の成果の一つとして

リピート率の高さがある。

 

 

 

リピート率は脅威の95%以上と言われてる。

 

 

 

ゲスト(お客様)に感動・満足していただき

「また、行きたい」と思われている証拠である。

 

 

 

例えばそのための取り組みの一つに

キャスト(スタッフ)はお客様に「知りません」

「できません」という言葉を使わない、

というものがある。

 

 

 

いかなるときも「知りません」「できません」

という言葉は決して使わず、

「お調べいたします」「確認いたします」と

対応することを徹底している。

 

 

 

 

【EIS】

 

 

 

 

「EIS」の成果として、不人気職種だったカーストディアルを

人気職種に変貌させたという話がある。

 

 

 

カーストディアルとは、パーク内外の清掃をする仕事である。

 

 

 

最初は清掃という仕事のイメージで

最も不人気な職種であったが、仕事の自由度を広げ、

園内のどこを歩き回ってもよいこと、

 

 

 

水溜まりの水を利用してキャラクターの絵を書いてもよい、

といった仕事に楽しさを加えたことで

お客さんを喜ばせるチャンスが最も多いと一番人気の職種となった。

 

 

 

そのほかにも、素晴らしいサービスをしたキャストを見つけたら、

マネージャーはその場でお礼の言葉とカードを渡す

活動も定着している。

 

 

 

その結果、キャスト(スタッフ)は生き生きと働くことができている。

給与を優遇しなくても、ロイヤルティやモチベーションは

高められるのだ。

 

 

 

 

【人財育成】

 

 

 

 

9割がアルバイトでも、95%以上のリピート率を生み出す

高いサービスの提供を実現出来ているのは、

アルバイト教育の成せる業と言える。

 

 

 

 

ディズニーの正社員は主にバックオフィスを担当するため、

ゲスト(お客様)を直接対応するのはほぼアルバイトスタッフだ。

 

 

 

 

たとえばキャスト(スタッフ)同士の改善点のフィードバックだ。

フィードバックから同じミスの防止やスキルアップに繋げている。

 

 

 

フィードバックする時は、よい活動が繰り返されるように、

改善点の指摘だけでなく褒めることも必ず行っている。

 

 

 

そのほかにも、ディズニーには、

アルバイトがアルバイトを教育する仕組みがある。

 

 

 

先輩キャストの指導姿を見て、「指導役の先輩のようになりたい」

とモチベーションが高まる効果もある。

 

 

 

 

こうした取り組みが、アルバイトスタッフであっても

高いサービスの実現に繋がっている。

 

 

 

 

【より良い仕組み】

 

 

 

 

ディズニーには300以上あると言われる職種別に

マニュアルが存在する。

 

 

 

マニュアルは常に改良が加えられており、

ゲストやキャストの声を反映させている。

 

 

 

ゲストの声を拾う仕組みも工夫している。

 

 

 

キャストが園内を歩き回り、その場でゲストからの意見を

随時ノートパソコンに打ち込みしているのだ。

 

 

 

1週間で1000人近くの情報を収集し、

収集結果は毎週集計され、キャスト内で共有されている。

 

 

 

 

これらの事例はほんの一部に過ぎないが、

ディズニーでは「5つの成果」をバランスよく

追及した企業活動を行っているからこそ、

持続的な成長が実現できているのだろう。

 

 

 

 

今一度、自社が目指すべき「成果」とは何か、

そのためにどのような取り組みを行うべきか、

一考してみてはどうだろうか。