「目的」と「目標」の違いってなんだろう?
「目的」とは、「目指すべき的」。
「目標」とは「目指すべき標(しるべ)」。
「目的」とは、「なぜ・何のため」にその仕事をするのかという
理由や意義のこと。
「目標」とは、「いつまでに、どういう状態にするか」という
ゴールのこと。
営業であれば、お客様に喜んで頂くという目的のために、
初回接客では信頼を獲得し次アポをとるという目標がある。
あるいは、引き渡しまでに紹介を頂くという目標がある。
設計であれば、お客様のこだわりをプランに反映させ喜んで頂く
という目的のために、ヒアリングで
お客様の今だけでなく将来にわたるニーズを引き出すという目標がある。
工務であれば、お客様にしっかりとした良い家に住んで頂く
という目的のために、高品質な家づくりをするという目標がある。
あるいは、予定通りに引き渡しをするために工程を滞りなく進める
という目標がある。
「目的」と「目標」をしっかりと意識しながら仕事をするというのは
とても当たり前のことだが、改めて考えるとその難しさが良くわかる。
今一度、仕事の仕方を振り返ってみてほしい。
① 自分が今日行う予定の大きな仕事の「目的」を理解しているか
顧客にとって、会社にとって、上司や協力会社の方々にとって、
自分にとって「何のために」この仕事をするのかを考えているか?
例えばこんなことはないだろうか。
とりあえず着座してもらおう、
とりあえず敷地調査を提案しよう、
とりあえず発注しておこう、
とりあえず販促を打っておこう・・・
「目的」を理解しないまま
「目標」だけを意識して仕事をしていないか?
単に時間を費やし業務をこなすのでなく、「目的」を意識すれば
そこに工夫が生まれる。
それこそが、満足や評価、感謝、成長につながる芽である。
② 今日行う仕事の「目標」のイメージが明確か?
それらの仕事のQCD(品質・コスト・納期)をはっきり確認しているか?
例えばこんなことはないだろうか。
「今の会議のメモのコピーをくれ」という仕事を依頼されたとする。
そのとき、まず行うことは何か。
大事なことは目的やQCDを確認すること。
上司がすぐ指示を出すためであれば、
そのまま走り書きをコピーして渡せばよい。
一方で、欠席者にもスピーディーに共有し、活動に入らせたいため
であれば「決定事項」だけを打って、メールで配信することになる。
一生懸命、詳細な内容を議事録に起こし、翌日に印刷して配布した
としても、QCDが間違っていればコストの無駄でしかない。
③ 以前に取り組んだことのある仕事であれば、
前回よりも「目標」の水準を少しでも上げようとしているか?
例えば「目標」の水準を上げるとはこんなこと。
日本の製造業が世界一と言われたのは、仕事をしながら、
その仕事のQCDを改善し続けるという仕事の仕方にある
と言われて久しい。
それと同じように、例えば、営業の準備でも、プラン作成でも、
発注業務でも、
今日は、昨日より1%だけ短い時間で取り組んだらどうなるか。
70日後には、半分の時間できる様になるのだ。
つまり、一人ひとりが目標を正しく「進化」させることができるか
どうかが本当の競争力といえる。
もう一度、考えてみよう。
今日の仕事の「目的」と「目標」は明確だろうか?