Column

コラム


若手強育Vol.6 ルールの重要性

■ルールは会社の「共通の価値観」

若手がなかなか育たない、すぐに離職してしまうという問題はよく耳にする言葉だ。

 

 

 

採用が厳しく、社員の平均年齢も上がっている中でようやく若手が入社し、

いざ教育しようと考えていた矢先に辞められてしまった…

という経験がある会社も多いのではないだろうか。

 

 

 

 

若手の離職率の高い会社の特徴をみてみると、

会社のルールが決まっておらず

上司や先輩によってやり方が違う、

案件によって引継ぎ内容が違うという

状態が起きている事が、共通点として挙げられる。

 

 

 

つまりは仕事にルールがない、ということだ。

 

 

 

上司や先輩によってやり方が違っていたり

同じやり方をしても、褒められるときもあれば叱られるときもある

といった状態では、若手メンバーは何が正しいことなのか理解できず

なかなか成長する事ができない。

 

 

 

若手メンバーが早期に成長する為には、

自分が自信を持ってやれる仕事を作ること、

そして、やれる範囲を徐々に広げていく事が基本となる。

しかし明確なルールがないと、

経験の浅い若手メンバーが自信をもって仕事をすることは難しい。

 

 

 

その為、会社のルールが明確にあるかどうかが

若手メンバーの早期育成において大きなポイントになるのだ。

 

 

 

 

■ルールの効果

 

 

 

 

実際にルールを作るとどんな効果があるのか

例を挙げてみたい。

 

 

 

 

ルールが明確でない会社の工事部の場合、

ある案件は仕様が決まっていない状態で着工を行い

ある案件は着工後に大きな修正が入るなど、案件ごとに状態が異なることが多い。

 

 

 

そうなると、監督はいつまでたってもその場対応的な仕事になってしまい

正しい仕事の仕方がなかなか身につかない。

 

 

 

反対に、例えば「未決事項がある中での着工は原則しない」、

「着工後の修正はしない」という明確なルールがある会社の場合、

若手の現場監督でも早期に仕事の「型」を身に着けることができ、

成長スピードはおのずと速くなる。

 

 

 

 

確かに、目の前の状況に応じて迅速に対応する為に

いちいちルールを踏まえてやるのではなく、

臨機応変に対応した方が良いという考え方もある。

 

 

 

しかしながらルールを決める事の最大のメリットは、

社内の「コミュニケーションコスト」を大きく

下げる事ができるという点だ。

 

 

 

コミュニケーションコストとは、

コミュニケーションに要する時間や費用のことだが、

共通のルールがあることで、

一から十まで確認せずとも、業務を円滑に進めることができたり、

認識ギャップを減らすことにつながる。

それによって、無駄にコミュニケーションに多くの時間を

割く必要がなくなるのだ。

 

 

 

 

結果的に、ルールに基づき的確に業務が回せている会社では

他社と比べて会議の時間が短く、業務連携も良いなど

若手メンバーの育成だけではなく、組織の生産性向上にもつながっている。

 

 

 

 

■ルールの種類

 

 

 

 

住宅会社において明確にすべきルールには

例えば以下のようなものがある。

 

 

 

 

・ 申込(設計契約)ルール

・ 契約ルール

・ 間取り確定ルール

・ 引継ぎルール

・ 着工ルール

 

 

 

これらのそれぞれのルールについて、

 

 

 

・  事前準備物が何か

・  その業務が終わった時にどういった状態(ゴール)になればいいのか

・  その業務を進める為にはどれくらい時間をかけるべきか

 

 

 

を明確にし、徹底するだけでも格段と仕事がしやすくなり、

組織の生産性向上と若手メンバーの早期戦力化の二つを実現することができる。

 

 

 

 

是非、若手メンバーの早期育成の為にも、

また、組織の生産性向上の為にも

社内ルール作りにチャレンジされる事をお勧めしたい。