Column

コラム
NEW 戸建分譲の集客戦略──男女別分析で読み解く顧客行動の変化とビジネス活用のヒント

戸建分譲の集客戦略──男女別分析で読み解く顧客行動の変化とビジネス活用のヒント

■購入者500名に聞いた!購買行動の最新トレンド調査

前回は、直近2年以内に戸建分譲住宅を購入された全国の購入者500名を対象に実施したアンケート結果より、見学先や購買要因といった全体傾向についてご紹介しました。

今回は、同調査の内容をさらに深掘りし、【男女別】における住宅購入時の重視ポイントや満足度の違いなどに着目してご紹介します。性別ごとのニーズを可視化することで、訴求戦略のアップデートに役立てていただければ幸いです。

調査概要:購入者アンケート
調査方法:インターネット調査
調査時期:2024年6月
有効回答数:全国の20歳~49歳、直近2年以内に戸建分譲住宅を購入した男女500名

■ 購入時に重視したポイント(男女別)

Q. 住宅購入時に重視した点は?(10項目/10段階評価)

対象項目:
「物件の利便性」「学区」「価格」「街の魅力」「営業対応」「デザイン」「断熱・気密性能」「耐震性能」「住宅設備のグレード」「会社のブランド力」

主な傾向:
男女ともに「利便性」「価格」「耐震性」「デザイン」を重視している点は共通ですが、

男性は「会社のブランド力」に対する重視度が高く、
女性は「断熱・気密性能」および「価格」をより重視する傾向が顕著です。

また、女性の方が全体的に重要視する項目が多く、「こだわりの強さ」がうかがえます。これは、在宅時間の長さや生活導線への関心が背景にあると考えられます。

ビジネス活用の示唆:
訴求ターゲットに応じて、キャッチコピーやビジュアル訴求ポイント(例:省エネ性能・デザイン性など)を変えることで、より効果的な広告・販促につながります。

 

■ 間取りにおける重視ポイント(男女別)

Q. 間取りで重視した点は?(10項目/10段階評価)

対象項目:
「LDKの広さ」「和室」「リビング階段」「LDK内スタディスペース」「書斎」「収納」「バルコニー」「ウッドデッキ」「広い土間」「ヌック」

主な傾向:
共通して「LDKの広さ」と「収納の豊富さ」が高評価。

男性は「リビング階段」「スタディスペース」といった趣味・仕事関連スペースを、

女性は「和室」「収納」といった日常性・実用性に関連するポイントを重視する傾向があります。

考察:
男性はリビングの開放感や在宅ワークの空間を重視、女性は日常の使い勝手を重視していることが明らかになりました。

 

■ 住宅設備・性能の重視点(男女別)

Q. スペック・設備で重視した点は?(10項目/10段階評価)

対象項目:
「キッチン」「洗面台」「ユニットバス」「省エネ型給湯器」「太陽光発電」「収納」「床暖房・全館空調」「高断熱・高気密」「耐震性能」「外壁・屋根材」

主な傾向:
「キッチン」「耐震性能」は男女共に重視。

男性は「太陽光発電」「床暖房・全館空調」といったスペック・省エネ性能を、

女性は「洗面台」「ユニットバス」「省エネ給湯器」といった水回り設備を特に重視。

ビジネス活用の示唆:
女性がキーパーソンとなる場合、生活導線を意識したプラン提案が効果的です。

 

■ 現在の住宅の満足・不満点(男女別)

Q. 現在の住まいで満足/不満な点をそれぞれ3つずつ教えてください

対象項目:
「月々の負担額」「収納」「家事ラク動線」「日当たり・風通し」「断熱・気密性」「外観・内装デザイン」「部屋数・LDKの広さ」「街並みの完成度」「ブランド価値」など11項目

主な傾向:
満足度が高い項目は「日当たり・風通し」「部屋数・LDKの広さ」。
一方で、「収納」「家事ラク動線」「外観デザイン」は満足度が伸びず、改善の余地が大きいと考えられます。

男性は「街並みの美しさ」「ブランド価値」への不満が多く、

女性は「街並みの完成度」「月々の負担額」への不満が顕著です。

考察:
特に分譲棟数の多い物件では、街全体の完成度や外構設計が購入満足度に大きく影響することが示唆されます。

 

■ 改めて購入する場合の重視ポイント(男女別)

Q. 改めて購入するなら、立地・価格・間取り以外で重視するポイントは?(8項目/10段階評価)

対象項目:
「ブランド価値」「外観デザイン」「街並みの完成度」「内装デザイン」「断熱・気密性」「棟別設計の個性」「太陽光パネル」「外構・植栽」

男女共に最重視しているのは「断熱・気密性能」

男性は「太陽光パネル」「街並み完成度」を、

女性は「棟別設計の独自性」「外観デザインの誇らしさ」を重視しています。

考察:
デザインやコンセプトの統一感、街づくりの完成度が、リピート購入意向にも影響していると読み取れます。

 

■ 外観デザインの好み(男女別)

Q. 外観デザインの好みを10段階評価で教えてください(9スタイル)

対象スタイル:
クラシカル系(切妻・寄棟)、アーバン(Cube)、アーバンリゾート、デコラティブ、シンプル(片流れ)

評価結果:

男性人気1位:「シンプル(片流れ)」、2位「アーバンリゾート(Cube)」

女性人気1位:「アーバン(Cube)」、2位「シンプル(片流れ)」

考察:
都市型・シンプルデザインが全体的に高評価。クラシカル系はやや評価が伸び悩む傾向です。
キューブ型デザインは屋上利用などの提案を含め、差別化の訴求に有効と考えられます。

 

【まとめ】

男性傾向まとめ:

●ブランド志向がやや強く、省エネ性能や開放感を重視

●「太陽光発電」「床暖房」「スタディスペース」などの機能性を評価

●「街並み完成度」「ブランド感」への不満が多く、再購入時にも重視する傾向

●外観好み:「シンプル」「アーバンリゾート」

 

女性傾向まとめ:

●実用性・生活導線を重視し、「断熱性能」「水回り設備」「収納」への関心が高い

●再購入時は「外観の誇らしさ」「個性ある設計」を重視

●外観好み:「アーバン(Cube)」「シンプル(片流れ)」

 

このように、男女別データを活用することで、従来の全体データでは見えにくかったニーズの違いを浮き彫りにすることができます。

住宅購入時の“こだわりポイント”を的確に捉え、ビジネスモデルを進化させる「付加価値設計」にぜひお役立てください。

なお、当社リブ・コンサルティングでは、住宅業界に特化した支援実績を多数有しております。
本テーマに関する詳細なご紹介は、各種セミナーでもご案内しておりますので、ぜひこの機会にご参加くださいませ。

<住宅不動産フォーラム2025盛夏のご案内>

リブ・コンサルティングでは、半年に一回、住宅不動産業界の有識者を集めた大規模なフォーラムを開催しております。
参加無料・オンラインでご視聴いただけますので、ぜひこの機会にお申込みください。
ご参加のお申込みはこちら