ハウスメーカーが地域ビルダー対策を徹底する時代の営業戦略

お客様から選ばれる営業タイプが変化する中で、自社の何を見直すべきか？

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■競合環境が大きく変化しており、営業戦略見直しの必要性が高まっている

住宅業界における原価高や人件費の高騰の影響が長期化する中で、最近よく聞かれるのが「これまでは価格的にぶつからなかった相手と競合することが増えてきた」という言葉です。その「これまで競合しなかった先」の代表格がハウスメーカーで、一部の性能やブランド力、という観点では敵わないものの、明らかにハウスメーカーの方が金額が高いケースが多かったため、「ハウスメーカーと比較すると性能やブランド力は劣るかもしれないが、その分金額が下がるのであれば、かつ、この性能があれば住んでいくのには十分」というポジションを得て勝っていた地場ビルダーは少なくありませんでした。

価格での優位性が無くなり、性能やブランド力を比較されるという厳しい戦いを強いられるケースが増えている中で、自社としてどのようなポジションを築き、厳しい競争環境を勝ち抜いていくのか、戦略を見直していかなければならないと感じている経営者の方は多いことと思います。

■ハウスメーカーと真っ向勝負 ? それとも直接戦うのを避ける ?

自社の価格が上がり、ハウスメーカーとぶつかることが増えてきた中で考えなければならないのは、「ハウスメーカーと直接戦って勝つ戦略をとるのか、それとも、（価格的に競合しない商品の投入などによって）メーカーとの戦いを避けながら勝つ戦略をとるのか」という二者択一になります。

ただ、言うまでもなく、どちらも容易な話ではありません。
前者の場合、性能やブランド力で勝つことは非常に難易度が高いため、「どこで勝つのか」を見極め、その点を強化していく必要があります。とは言え、最終的には営業の勝負となるため、自社の営業力とそれを支える営業育成・マネジメントが鍵を握ると言えるでしょう。

後者の場合、ニッチ商品の開発や、地域最適な規格住宅の開発とそれに準じた訴求方法（売り方）の検討などが考えられます。

■ハウスメーカーも地場ビルダー対策を徹底的にやる時代 !

ここまで、「対ハウスメーカー」という文脈で語ってきましたが、競合環境の変化を感じているのはハウスメーカー側も同じです。これまで競合しなかった地場ビルダーが登場する頻度が上がってきている中で、よく聞くのが、「ハウスメーカーが地場ビルダー対策を徹底的にやっている」という話です。

よく名前が出てくる地場ビルダーのところに覆面競合調査をしているケースも少なくないかもしれません。
これまでのように「総合展示場に出展さえしておけば勝手にお客様が来てくれて、一定の確率で受注につながる」という時代は終わりを迎えようとしています。

ハウスメーカーもよく競合する地場ビルダーの特徴や強み・弱み、価格や性能などの情報を踏まえ、対策トークを作っています。
各エリアで確固たる地位を築いていたハウスメーカーが競合対策を徹底的にやっているのであれば、地場ビルダーもこれまで以上に注力していかなければならないのは自明の理です。

■お客様から選ばれる営業のタイプも変化してきている

かつてはどの住宅会社にも「トップセールス」と呼ばれる社員がいて、業績を牽引していました。
しかし、営業側もお客様側も価値観が変化している中で、「トップセールスはいらない。一定のレベルで結果を出せる営業を増やせる仕組みを構築したい。」という声を聞くことが非常に増えてきました。

そんな時代の変化に伴い、お客様から選ばれる営業のタイプも変化しています。ライフスタイルの変化や購入におけるハードルが高くなっている中で、お客様の意思決定にかかる時間も以前より長期化する傾向にあり、そんなお客様の心情に寄り添いながら最適な提案をしていく「伴走型」の営業スタイルを実践できる営業が選ばれるようになっています。

■「若手をどう育てるか」から
「結果を出している若手のやり方を横展開」する時代へ

「若手=売れない」という考え方はある意味終わりを迎えていると言ってもいいかもしれません。一定の結果を出せていたはずのベテランも二極化しており、「どこに行っても通用する営業力を持っているベテラン」と「会社の強みと時代の流れに乗ることで成果を出せていたベテラン」とでその差が明確に出てくるようになってきた事例を数多く耳にします。

知識や経験だけで戦うのではなく、住宅購入を検討している“今”の世代の価値観を捉えながら成果を出している若手のやり方こそ、横展開をしていくべきでしょう。
「売れている人のやり方を横展開する」ことが営業の底上げの基本だとすれば、その目線の先はベテランよりも若手にこそ向けるべき時代になっています。

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