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コラム


月間3棟契約を増やすWeb戦略のポイント~ネットから月間3棟の契約増加を可能にする革新的な仕組み〜(後編)

■ 地域No.1住宅会社の集客戦略

中四国で地域NO.1工務店であるL社がございます。縮小市場であるにも関わらず、大きく成長し続けています。その一助を担ったのが、WEBマーケティングです。下記のように、WE Bマーケティングに注力することによって、WEBからの集客が「10倍」、1組あたりの来場コストが「75%減」になりました。(図5

実は以前までL社は他の多くの会社様と同様に、ホームページ自体の改良にはしっかりと力を入れていましたが、来場につながっていない状態でした。そんなL社がなぜこれほどの成果を上げることができたのでしょうか?

それは下記3点に注力して取り組んだからです。

① リスティング広告
② ランディングページ
③ 適切な指標の改善活動

まず、リスティング広告を活用することが必要です。なぜなら、リスティング広告を活用することで、自社が来て欲しいお客様にだけ狙ってWEBページを診てもらうことが可能になるためです。

そもそもリスティング広告とは、GoogleYahooなどの検索エンジンで検索をしたときに出る広告のことを指します。下記の画像(図6)のように、検索結果が表示された画面の上部と右部に広告スペースが出てきます。これをリスティング広告といい、指定したキーワードで検索されたときにのみ広告を出すことが可能なため、来場予約をしてくれる可能性が高い層のお客様に直接アプローチすることができるのです。

例えば、L社ではローコストの企画住宅を主力の注文住宅とは別で持っています。その商品では、住宅選びにおいて「価格」を重要視する層のお客様がターゲットです。そのため、「格安」や「1000万円」などの価格を重視する方が検索すると予想できるキーワードを加えています。

一方、商品だけではなくエリア(商圏)を指定することも重要です。中四国の工務店が北海道に家を建てることは現実的ではないため、「〇〇市」のように自社商圏内で建てたいお客様にのみ広告が表示されるようにします。このように商圏に合致し、自社商品の強みが響く層を考慮した検索キーワードを見つけることが重要です。

次に、重要になるのはランディングページです。ランディングページとは、資料請求や来場予約など、「反響(問い合わせ)」を目的とした、一枚の長いWEBページのことです。したがって、ランディングページは、お客様の気持ちを高め、問い合わせを促進する、「WEB上の営業パーソン」とたとえることができます。

では、売れる営業と売れない営業の違いはどこにあるでしょうか?それは「お客様に合った適切なトークを適切な順番で伝えることができるかどうか」にあります。例えば、価格を重視するお客様と建物のデザイン性を重視するお客様であれば、そもそも「伝える内容」が大きく変わりますし、一方、お客様のご用聞きになってしまい、営業に信頼いただけていない段階から自社の特徴や住宅価格をお伝えしてしまったら決まるものも決まらなくなってしまいます。そのため、「伝える順番」も非常に重要になるのです。

ランディングページであれば、「ターゲットの属性に応じた伝えるべき内容」を「買いたい熱が高まるような適切な順番で伝える」ことが可能になります。なぜなら、お客様が、画面を上から下にスクロールしていくことになりますので、制作側の意図にしたがって、情報を閲覧することになるためです。通常のホームページでは、このような誘導をするのが難しいため、反響(問い合わせ)に直結させることが難しいのです。(図7

まず、一般的なホームページでは、すべてのお客様にトップページから閲覧してもらうことがほとんどだと思いますが、そうすると、属性に応じた情報を掲載していたとしても、その内容を見てくれるのかわからない状態になってしまいます。

お客様視点で言い換えると、見たい情報がどこにあるのかわからないので、自分で探さなければいけない状態です。通常のホームページでは、4秒以内に知りたい情報が見つからないとホームページを離脱してしまうと言われています。

しかし、すべてのお客様が知りたい情報をすぐに見つけられるホームページを作成するのは不可能です。そのため、お客様の属性に応じたWEBページをそれぞれ作成することが必要になるのです。

一方、ランディングページであれば、お客様に届けたい内容が一枚に完結しているため、ランディングページをお客様の属性に応じて複数個作成することが可能です。そして、それらの属性のお客様をリスティング広告を活用して、適切なランディングページに誘導することで「お客様の属性に応じた適切な内容を伝える」ことができます。

さらに、ランディングページでは、伝えたい情報を「お客様の熱感が高まる適切な順番で伝える」ことが可能です。通常のホームページでは、「会社概要」「施工実例」「ブログ」「家づくりの特徴」などを無差別に見られてしまい、お客様の熱感は上がりませんし、最終的に来場予約のページを見てくれるとも限りません。

一方、ランディングページであれば、一枚に完結しているため、ランディングページを適切な順番で内容を掲載して作成すれば、お客様が途中で脇道に逸れてしまうことなく熱感が高まる順番でお伝えすることができます。そのため、ランディングページは、来場予約という決して低くないハードルも乗り越えて予約を獲得するために必須の要素です。

最後に、重要な指標を定期的に確認することで、改善点を見つけて継続的にリスティング広告の検索キーワードやランディングページの品質を高め続ける必要があります。なぜなら、リスティング広告における検索キーワード選択やランディングページの情報の伝え方が最初から適切であることは稀で、リスティング広告やランディングページに取り組んだとしても最初から成果が出る可能性は決して高くはないからです。

重要な指標の良し悪しを定期的に確認し、改善点を発見することができれば来場予約数を増やすために確実に前進し続けることができます。いかに優秀な営業パーソンを中途採用したとしても、自社の商品や商圏のお客様に合わせてトークや対応を修正してもらわなければいけないように、リスティング広告とランディングページを組み合わせたWEBマーケティングも、予約数や来場コストを改善するために品質を高め続ける必要があるのです。

見るべき指標は下記の3点です。

①インプレッション数:リスティング広告で指定したキーワードで検索し表示された回数
②クリック率:インプレッション数のうち、表示された広告がクリックされた割合
③コンバージョン率:広告をクリックしランディングページを閲覧した人の内、来場予約された割合

 

上記の3つの指標はチラシに置き換えて考えてもらうとわかりやすいと思います。インプレッション数とは「チラシの配布部数」です。チラシが配布された部数がお客様にアプローチした数ですので、この数字が低すぎると来場予約を貰える可能性は低くなります。

この数字を改善するためには、配布エリアを拡大するのと同様に、広告が表示されるリスティング広告の検索キーワードを増やしていくしかありません。

次に、クリック数は、チラシが配布された家庭のうち、どれくらいの家庭でチラシを手にとって見ていただけたかを表す数字です。他のチラシ(他の広告やWEBページ)に紛れて読んでいただけていないことによる機会損失は大きいものです。そのため、いかに手にとって読んでもらえるか(広告をクリックしてランディングページを見てもらえるか)が重要な数字になるのです。これを改善するためには、他の広告よりもターゲットに響くキャッチコピーを考えることが大切です。

最後にコンバージョン率は、チラシを読んでいただいた家庭のうち、どれくらいの家庭で予約・問い合わせをいただけたかを表す数字です。この数字が低い場合は、そもそもチラシ(WEBマーケではランディングページ)を改善してもっと来場予約をしたくなる内容にする必要があります。ターゲットに感情移入をして、もっと来場したくなる魅力を伝えて、来場しない言い訳となるハードルを解除してあげられる内容にする必要があります。

このように「インプレッション数」「クリック率」「コンバージョン率」という3指標をもとにWEBマーケティングをより効果的に、より品質を高めることができます。チラシと違い、WEBであればそれらのプロセスデータを収集できるため、改善を着実に進めることができるのです。これも紙媒体ではなく、WEBマーケティングが今後の集客構造として効果的な理由の一つといえます。

以上の「リスティング広告」「ランディングページ」「重要な指標の改善活動」を行うことで、地域NO.1工務店になったL社は集客数や1来場コストをより高い次元に向上させることに成功しました。

■ おわりに

本コラムの締めくくりとして、L社の経営者からお聞きした言葉をご紹介します。

「時代には本流というものがあり、経営者はその流れに事業という船をいかに乗せるかが腕の見せどころだと思っています。その点、集客に当てはめてみると、どうでしょうか?

1、2年後の地方は今の関東を見るとわかります。そして、その先は世界の状況を見ると想像できます。現在、世界の大都市はもちろん、関東もWEBの活用が活発なことは実証できているため、今後地方でもWEBマーケティングの成果がますます期待できるとわかります。このように、WEBマーケティングの重要性が日に日に増しているということは一目瞭然です。少なくとも、ある程度の棟数を扱いたいのであれば、WEBマーケティングは取り組むべきでしょう。WEBの中ですら、パソコンからスマホへとユーザーが移るという新しい変化が次々と起こっている状況です。そのため、チラシだけに固執してしまうのは大きな機会損失ですが、逆に、住宅会社でWEBに注力している会社はまだごく一部なので、今から取り組めば先行者利益が得られます。

このように、流れの変遷というものが必ずあるので、その流れを読んで先手を打っていくことを常に大切にしています」

L社の経営者がお伝えしたとおり、WEBマーケティングは取り組むタイミングが早ければ早いほど良いものです。なぜなら、WEBマーケティングは分譲の仕入れと同じように、検索キーワードも競合との取り合いになるからです。より早く動くことによってより安く、より良いキーワードを確保することができます。そのため、このような先行者利益を獲得することができるように、まだWEBマーケティングに力を入れている競合が少ないタイミングで注力することが大切なのです。

消費者の価値観の変化や技術力の向上などにより、競争優位となるポイントが変わるタイミングに来ています。今後数年はWEBマーケティングに率先して取り組んだ住宅会社こそが地域の中でも一際成長し、より多くのお客様に自社のより良い住まいを知ってもらうことができるようになるでしょう。ぜひ、本コラムの内容が今後の集客構造を考えるうえでお役立ていただき、WEBマーケティングに注力するきっかけとなれば幸いです。

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