Column

コラム


ローコストビルダーに勝つための3つの戦略 ~地域密着の企業競争力を発揮してローコストビルダーに打ち勝つには〜(前編)

■加速する顧客のローコスト志向

昨今の傾向として住宅購入検討者は住宅価格に対して、非常に敏感になってきています。皆様の会社の営業スタッフからも、以下のような声があがることは多くなっているのではないでしょうか。

競合する企業の価格帯は、エリアや企業によって変わってくるとは思いますが、下位の価格帯の競合に対し、このような声が出てきていませんでしょうか。

経営者側からしたら、「そんなのは、営業力の問題ではないのか!?」と言いたいところだと思いますが、事実、大手ローコストビルダーはここ10年で飛躍的に成長をしており、全国各地のビルダー、工務店において、競合負けしてしまうケースも増加しているように見受けられます。

実際、お客様のニーズは、変化をしてきています。国土交通省の「土地に関する国民の意識調査」を見てみると、平成24年には持家志向が初めて8割を切り、借家でも良いという方の割合が増え続けています。また、持家を購入される方に、住宅購入時に重視する条件を聞いたアンケートを見てみると、「価格」というキーワードは必ず上位に入ってきていることがわかります。

 

 

このような中で、本当に営業力さえつければ、ローコストビルダーに勝つことは出来るのでしょうか?そこで次に、ローコストビルダーの実態を見てみたいと思います。

■ ローコストビルダーの実態とは

ローコストビルダーでは、いったいどのような商品を提供し、どのような営業を展開しているのでしょうか。   

皆様がイメージされるローストビルダーの営業上の特徴と言えば、住宅を安く買うことの重要性を徹底的に誘導して自社の安さをアピールしていく価格訴求営業と、土地探しをされているお客様へ向けた土地付け営業、この2つをイメージされる方が多いと思います。

 

 

それゆえ、ローコストと競った際でも、「設備仕様もうちは全然違うので差別化出来るし、ハード面の魅力も間取りなどのソフト面の魅力も圧倒的に自社の方が勝っている。しっかりそれを訴求出来れば勝てる!」と思われたり、「それでもローコストが良いというお客様は、我々のターゲットではなかっただけ。追うだけムダ!」と思われる営業スタッフが多いのではないでしょうか。

では、本当にそうなのでしょうか。ここからは、実際にローコストビルダーにて行われている営業トークの一部を掲載させて頂きます。

いかがでしょうか。本コラムをお読み頂いている皆様にとっては当たり前のトークだと思いますが、大切なのは、このレベルのトークを当たり前にローコストビルダーが実施してきているという点です。

ローコストビルダーといったら、社員の教育も行き届いてなくて、営業力も低く…とイメージされる方が多いですが、今はそうではありません。各社、営業マン育成に力を入れていますし、全社のホスピタリティも強化している企業が大多数です。オフィスの近くを通った際に、スタッフの皆さんで立って挨拶をしたり、帰り際にスタッフが何名も出てきてお見送りをしたり、基本的なことですが、全社員で徹底出来るよう、社員教育に力を入れてきているのです。

つまり、ローコストビルダーと競った際に、これまで通じていた、差別化のポイントである「完全自由設計」や、営業マンの対応力、「全社のホスピタリティ」などだけでは勝てなくなってきているのです。それゆえ、今一度、何を自社の確固たる武器として戦うのか、どのような魅力をお客様に提供するかを、抜本的に見直さなければ、今後、勝ち残ることが非常に難しくなるのです。

さらにもう一つ注目しておきたいのは、パワービルダーです。ここは、直接競合になることは少ないという企業様も多いかもしれませんが、実は、潜在的に顧客を奪われている可能性がないかチェックする必要があります。ご存じの通り、パワービルダーにおいては、店舗に来場されたお客様の希望条件を伺い、その希望に沿った物件を案内するフローを組んでいますが、その中で、他社へは回らせず短期クロージングをする営業トークを数多く使用しております。

この営業の怖いところは、お客様が先にパワービルダーに来店してしまった場合、こちらの店舗にはいらっしゃらずに、比較無しで契約を決められてしまう、つまり、戦わずして負ける状態になってしまうという点にあります。

土地無しのお客様の場合、当然土地探しから活動を始めますが、土地を探し始める際に、パワービルダーなどの店舗から探し始めるお客様は一定数存在します。もちろん、予算的にターゲット外となるお客様も多数ですが、予算に余裕があったとしても、土地無し客は、立地に注力するあまり、他の会社の良さを全く知らないまま契約してしまう、ということも一定割合であるのです。

以上踏まえ、ローコストビルダーに負けないための戦略として、次ページでは3つの戦い方をご紹介します。

 

NEXT >