Column

コラム


未来の顧客から選ばれる集客戦略~消費税増税後に衰退する会社と未来の顧客から選ばれる会社~(後編)

競合他社と差をつけるための集客施策

図①のB・Cの領域で、競合他社と差をつけやすい「紹介活動」、「レスポンス型ホームページ」、「イベント・セミナー」について、成功事例を交えて詳細に説明します。

― 紹介活動〜年間100棟以上を紹介で受注するM社 ―

「紹介活動は禁煙やダイエットに似ている」と私たちは言っています。というのは、紹介活動はどの会社も一度は取り組んだことがあっても、中々成果が出ない、もしくは一時的な成果は出ても継続的な取り組みにならないという悩みを抱えている会社が多いからです。

紹介で成果がでない理由は・・・

  1. 正しいやり方を知らない
  2. 通常活動のプラスアルファの活動で進めてしまう

という2点になります。

正しいやり方を知らないという代表例は、たとえば「家を建てるご友人がいたらご紹介ください」と依頼してしまうことです。住宅購入はローンが通るまでは友人にも言いにくく、上記のように依頼してもご紹介いただけることは圧倒的に少ないことを知らずに紹介活動を進めてしまうのです。もう一つのプラスアルファの活動で進めてしまうというのは、たとえば社員を総動員してOB周りを徹底してしまうことです。社員の時間の使い方を紹介活動に強制的に割り振ったとしても、今まで紹介を出していただけなかったOB様への紹介依頼は非効率的な活動と言わざるを得ません。逆に、紹介活動で成果を出している会社は、OB様ルートは紹介受注全体の約3割に過ぎず、お引き渡し前の現在客から残り7割の紹介受注を生み出しています。

年間130棟のM社は、紹介比率7割以上で、約100棟を紹介で受注しており、お引き渡し前の受注が70棟以上あります。「現在客」からの紹介発掘のノウハウが、実は紹介活動の成功要因なのです。同社の取り組みについては割愛しますが、より詳しい内容にご関心がある方は、ぜひお問い合わせください

▼紹介営業のノウハウ

 

 

― レスポンス型ホームページ~年間200棟まで伸ばしたH社 ―

レスポンス型ホームページは、アットホームやスーモのようなポータルサイトを自社で運営し、土地探しのお客様を一気に手中に収めてしまう集客施策です。ポータルサイトの場合は、一括請求で自社の土地以外も選ばれてアポがとりにくいという事態が発生しますが、レスポンス型ホームページの場合は一括請求しても自社が全て対応できるのでアポをとれる確率が非常に高いのです。

レスポンス型ホームページの大きなメリットは、自社エリアの土地なしのお客様と最初に接点を持てることです。つまり、自社エリアの土地なし客の全てに、どの競合他社よりも早く、自社の顧客名簿に加えられるということです。

 

 

F社以外の事例を挙げると、レスポンス型ホームページを集客の入り口にして年間200棟まで伸ばしたH社という注文住宅会社があります。H社の商圏は分譲住宅会社が席巻していたエリアでしたが、このレスポンス型ホームページの運用と、土地セットで販売しやすいローコスト住宅で一気に地場ナンバーワンビルダーへと成長しました。

H社の成功要因は、エリアで一番早くレスポンス型ホームページの展開に着手したことです。レスポンス型ホームページは、「エリアで圧倒的なナンバーワンの情報量がある」と認知されることが重要です。そうすれば競合他社が模倣しにくく、エリアで独占的に土地なし客を囲い込むができます。もちろん物件情報の集め方や不動産会社との関係性構築にはノウハウが必要ですが、それさえあれば「早い者勝ち状態」と言えるでしょう。もし自社エリアで圧倒的なナンバーワンのレスポンス型ホームページがなければ、今すぐに取り組むことをお勧めします。

― イベント・セミナー〜イベント集客により年間40棟から130棟へ成長したH社 ―

イベント・セミナー集客とは、ワイワイガヤガヤしているところにエリアのお客様にご参加いただいて接点を持つ集客施策です。そんな住宅と無関係なイベントで決まるのかと思われがちですが、成功要因はイベント来場客から住宅購入客へランクカップする設計図にあります。その設計図が現場で実現できると、最初は食べ物や出し物に惹かれてやってきた来場者が、半年ほどイベントに来続けると住宅購入を検討する商談客へと変わります。

 

 

上記のイベントを実施しているH社は年間130棟のビルダーです。元々、飛び込み・ポスティング中心の会社でしたが、イベント集客を始めるようになってから急成長しました。イベントを始めた当初は契約率が3%程度でしたが、試行錯誤することによって1年後にはイベントからの契約率が12.5%にまで上がりました。つまりイベントに100組集まると1213組の受注が獲れるということです。来場客の見極め方や、住宅が購入したくなる仕掛け、住宅セミナーへのランクアップなど、さまざまに工夫されたノウハウの違いで、競合他社が真似したくても真似しきれないようになっています。

3年後に勝ち残る成功要因は、今、次の一手を打つこと

集客戦略の全体像についてお伝えしてきましたが、最後に大切なことを一つだけ絞るとしたら、「今、次の一手を打ち始める」ということに尽きます。
冒頭にお伝えしたように、今の一手が3年後の自社の存続と衰退を分かつことになります。

また、好調な今のうちに新たな取り組みに先行投資するというのは経営の定石ではありますが、より重要なのは、今までご説明した集客施策はエリアで一番早く取り組んだ会社が総取りする集客モデルということです。

レスポンス型ホームページやイベント集客は特にそうですが、紹介営業に関しても、たとえば特定の職場で一気に口コミを広げた住宅会社がその紹介受注を総取りすることになります。

また、紹介営業の場合は、今のように受注が好調なタイミングであれば、尚更取り組んだが方が良いと言えます。自社の受注の伸びと紹介受注の伸びを同時に実現することが自社の組織力を底上げすることにつながります。現時点で好調なのは当たり前ですが、市場の追い風が向かい風に変わった途端に崩れ落ちるような事業、組織では継続的に存続、発展することは難しいと言わざるを得ません。

さまざまな施策をお伝えしましたが、本レポートの内容が今後の集客戦略を考え、対策を打つきっかけとして御社の一助となれば幸いです。

 

<PREVIOUS