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若手強育Vol.3 真剣勝負は早いほうがいい

4月に新入社員が入社し、できるだけ早く活躍してもらいたいと

人財育成に力を入れている経営者がほとんどであると思う。

 

 

 

 

しかし、なかなか思うように新人が育ってくれないと

お悩みの経営者は少なくないだろう。

 

 

 

 

今回は、そんな経営者のために新入社員が早期に成長するための

ポイントをいくつかご紹介したいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

■経営者からよく聞く新入社員教育の悩み

 

 

 

 

 

弊社のクライアントの経営者に、「若手社員の育成は順調ですか?」と聞くと、

「指示待ち社員が多い」や「作業ベースの仕事ばかりしていて自分で

考えようとしない」といった意見がよく返ってくる。

 

 

 

 

つまり、上司や先輩が指示したことは一生懸命行おうとするが、

自ら考え能動的に仕事を行うとしないということだ。

 

 

 

 

 

その背景には、学生から社会人への意識の切り替えができておらず、

仕事に対する意識が甘く、目的志向が弱いということがあるかもしれない。

 

 

 

 

例えばお客様との折衝時、マニュアルに記載しているヒアリング事項は

聞くことが出来るが、臨機応変に深掘りの質問をしたりはせず、

マニュアルにあるヒアリング項目を埋めるための作業になってしまっている。

 

 

 

 

 

このようなご相談を受けた時、いつも2つのお話をさせていただく。

 

 

 

 

 

 

 

■真剣勝負の場を早いうちに設定する

 

 

 

 

 

若手社員を成長させる一つ目のポイントは、

「真剣勝負の場をできるだけ早いうちに多く設定する」

ことである。

 

 

 

 

これは実力社会のプロスポーツに目を向けるとよく分かる。

 

 

 

 

2009年のプロ野球選手の「生まれ月」に関するデータを見てみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月生まれが最多の55人となっており、4月~9月生まれの割合が多くなっている。

 

 

 

 

これは、単なる偶然ではなく、早いうちら真剣勝負の場に放り込まれた

人のほうが、好循環でどんどん実力をつけていくからである。

 

 

 

 

 

もう少し詳しく説明すると、プロ野球選手の多くは小学校の頃から

少年野球チームでプレーしている。

 

 

 

 

4月生まれの子は11ヶ月も誕生日の遅い3月生まれの子に比べ、

身体の発育面で有利であるため、どうしても出場機会を

与えられやすくなる。

 

 

 

 

そして試合により多く出た子は、実践のなかで自分の長所や課題を

認識し、練習にも熱心な姿勢で取り組むようになる。

 

 

 

 

 

一方、試合に出られない子は自分の長所や欠点をなかなかつかめず、

チャンスが与えられないことで、やる気をなくしていく。

結果、試合に出られる子との実力差はグングン広がっていく。

 

 

 

 

 

ビジネスシーンでも同じようなことが起きる。

新入社員や若手社員に真剣勝負の場を与えて、自分の長所や課題を

認識させる必要がある。

 

 

 

 

そうすることで、自ずと準備や練習に力が入るようになるので、

結果的に成長していくサイクルができる。

 

 

 

 

 

 

 

■ゴールを設定する

 

 

 

 

 

二つ目に、仕事に取り組む前に、目的とゴールを明確にする習慣を

つけさせることである。

 

 

 

 

目的とは、何のために行うのか。

上司に「これをやっておいて」と言われた時、何のためにやるのかを

まず考えさせるように指導するとよい。

 

 

 

 

一方ゴールとは仕事が完了した時の状態であり、目的地に到着するための

道標である。

 

 

 

 

例えば3ヶ月で行う仕事の場合、1週間でどの状態まで進めておけば

いいのかを明確にしてあげる必要がある。

ゴールを明確にしてから、仕事を取り組む習慣をつけるようする。

 

 

 

 

 

私たちはクライアントに、

「ゴールを持つと準備が変わる。準備が変わると活動が変わる。

活動が変わると結果が変わる。」

という話をよくさせていただく。

 

 

 

 

 

ゴールを意識することで、行動の質とスピードが格段に上がる。

 

 

 

 

特にマニュアルやルールが充実している会社こそ、

ゴールを意識させる必要がある。

 

 

 

 

マニュアルの本来の目的は、「ゴールを達成するためにはこういう作業を

行いましょう」と伝えることである。

 

 

 

 

しかし、多くのマニュアルがゴールを書かず、作業内容ばかり触れているため、

作業ベースの仕事をしてしまう社員が発生する。

 

 

 

 

 

目的やゴールを持つという考えは当たり前のように聞こえるかもしれない。

しかし、自社を振り返った時に、貴社の若手社員がゴールを意識して

仕事ができているだろうか?

 

 

 

 

また、管理職や上司が部下に指示を出す時にゴールを明確にして、

伝えているだろうか?

 

 

 

 

 

社員教育に悩んでいる経営者は、

ぜひ今回ご紹介した内容の習慣づけを実践してほしい。