あなたの会社には、何か問題が起きたときに、自分に矢印を向けることの出来る人はどれだけいるだろうか。
2つのケースで、どちらに近いか振り返ってみてほしい。
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「自分に矢印が向けられない組織」のケース
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営業マン:
今週、請負契約予定と報告していた案件が失注になってしまいました。
営業部長:
なんで失注になったのか。
営業マン:
最初にお出ししたお見積もりと、最終のお見積もりが大きくずれてしまいまして、
その不信からか最終的にご両親に強く反対されてしまったんです。
(いつも設計が勝手にこだわって予算をつり上げるから失注してしまうんだ。、
まあ今回はご両親の反対だから仕方がないか。)
営業部長:
両親の意向には細心の注意を払えと常々言っているだろ!
だいたいいつも最初の見積もりより高くなってしまうんだから、
最初から少し高めに出しておけばいいだろう!
そもそもお客様ときちんとコミニュケーションが取れていなかったから
こんな事になったんじゃないのか!
(この間も同じようなミスをしたばかりじゃないか。
何度言っても、ちっとも言うことを聞かない。
俺は能力のない部下ばかり持って不幸だ・・・)
営業マン:
すいませんでした・・・
(それなら事前に言ってくれればよかったのに・・・)
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「自分に矢印が向けられる組織」のケース
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営業マン:
今週、請負契約予定と報告していた案件が失注になってしまいました。
営業部長:
なんで失注になったのか。
営業マン:
最初にお出ししたお見積もりと、最終のお見積もりが大きくずれてしまいまして、
その不信からか最終的にご両親に強く反対されてしまったんです。
私が設計部と事前に予算の摺り合わせができていれば失注にならなかったかもしれません。
また、最初のヒアリング時にご両親が意思決定に影響するかの聞き取りが不十分でした。
営業部長:
そうだね。最近同じケースが続いていたのが気になっていたんだ。
事前にきちんと確認するように指示を出すべきだった。
あと、両親がキーマンになるかの聞き取りは、必ず初回接客で入れるようにしよう。
営業マン:
次から必ず徹底します。今回は申し訳ありませんでした。
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「自分に矢印を向ける」とは、物事を主観的に捉える、ということだ。
「他人事」ではなく、常に「自分事」として考えること。
そして「他人のせい」ではなく「自分の責任」と捉えることだ。
上司の目線
× 部下のせい
○ 部下に働きかけない自分の責任
部下の目線
× お客様のせい、他部門のせい、上司のせい
○ 事前に確認、相談ができなかった自分の責任
「自分に矢印を向ける」ことが出来る人は成長が速い。
そして「自分に矢印を向ける」人が集まった組織は、いかなる問題も
前向きに解決していくことができる。
つまり組織風土が良い組織とは、「自分に矢印を向ける」人が多い組織ということ。
皆が自分事と捉えて、自分の責任で問題を解決していける組織は
どのような逆風にも決して倒れることはない。
「自分に矢印を向けられる組織」にするためには、
まず上司のマインドから変わらなければならない。
取引先やお客様からのクレームをもらったとき、
「部下にはきちんと伝えたのですが・・・」
ではなく
「きちんと部下に確認しなかった私の責任です。」
と言えているだろうか。
上司が「自分に矢印を向ける」姿勢を見て
部下も「自分に矢印を向ける」ようになり、
皆が「自分に矢印を向ける」組織が出来上がる。
あなた自身は、あなたの会社のメンバーは、
自分に矢印が向けられていますか?