Works

成果事例


お話を伺った方

株式会社藏持
代表取締役社長 藏持 圭一 様

Company Profile・・・・・・・・・・・・・・・
平成15年6月「株式会社蔵持ハウジング」を設立。
数寄屋建築の知識と技術を軸に日本の伝統を生かした家づくりを行う。2016年社名を株式会社藏持に変更。17年にバンコク(タイ)にショールームをオープンし、海外展開の一歩目を踏み出す。

株式会社藏持の事業内容を教えてください。

当社は、私の父である藏持徳三郎が1941年に創業した会社の流れを汲み、平成15年6月に株式会社蔵持ハウジングを設立しました。日本の伝統的な技法やデザインを生かした家づくりと、家づくりに関連するサービスとして、土地探し、資金計画づくり、インテリア製作、リフォームなどを手掛けています。

藏持が手がける家は、数寄屋建築をはじめとする技法や白銀比を踏まえたデザインなどが特徴的です。その分野に重点を置く事業展開はどのように生まれたのですか。

住宅業界は2030年に向けて需要が落ち込むと見込まれています。業界動向として需要の奪い合いになるのは目に見えていますし、市場が縮小していく以上、競合他社と同じことをやりながら、一緒に伸びていく未来は描けません。価格競争が生まれ、大資本が優位になっていく市場で、当社を含む中小規模の会社はブルーオーシャンを見つけ、生き残っていく道を考える必要があるのです。そのための方法として、例えば、飲食業界などに進出するといった道もあるのですが、一過性のトレンドに乗るだけでは根本的な問題解決にはなりませんし、他社に真似できる方法は継続性がありません。そういった業界環境を踏まえ、たどり着いたのが日本の伝統と海外という二つのキーワードでした。

当社は数寄屋建築を礎としていますので、日本の伝統を踏まえた技法、知識、経験を持っています。この分野に長けている会社は業界内に少ないですし、伝統に革新を重ねていくことによって新しい価値を生むこともできます。

また、海外はほぼ未開拓の分野ですので、日本の伝統を打ち出すことによってさらに大きな需要が見込めます。そのような考えから、日本の伝統を受け継ぎながら時代に合う革新性を取り入れる「Next TRADITION」という事業コンセプトができ、事業展開の面ではタイのバンコクでショールームをオープンするといった海外進出につながっていきました。
Next TRADITION」には、今伝統と呼ばれている物事も過去に産声を上げた頃には独創的なものであったことを踏まえ、われわれも次代の伝統を作りたいという思いも込めております。

日本の伝統に目を向けるとともに、伝統を革新しながら海外に展開していくという発想は先見性がありますね。

国内で培った技術や知見が通用する市場を考えたときに、国内、海外という境界は関係がないと気づいたのです。伝統を革新し、世の中にないものを作り出すことが事業のベースです。この取り組みが通用する市場はまだまだあると思いますし、市場が伸びていく場所へ出ていきたいという思いもありました。

事業を発展させていく過程でコンサルティング会社を使おうと考えたのはなぜですか。

経営面で不足している知識や情報などを補ってくれる企業参謀のような役割を期待したためです。世の中には数多くの経営者がいますが、ごく一部のエリート経営者を除けば、MBAなどに代表される経営学をマスターしている人はほとんどいません。当社を含め、発想力や行動力で創業した会社の経営者は、経営そのものや事業を成長させていくための基礎的な知識が欠けているところがあると思うのです。そういう経営者の参謀となってくれるのがコンサルタントなのだと私は思っています。

また、現実問題として、中小企業がコンサルタントのような経営のプロを自社の人財として雇うことは難しいはずです。その点から見ても外部のコンサルタント会社に依頼するのは自然な選択だと思いましたし、依頼する側と請け負う側という契約関係ではあるのですが、目標を共有することによってお互いにウィン・ウィンの関係を構築していけるのもコンサルティング会社に依頼するメリットの一つだと思います。

リブ・コンサルティングにご依頼いただいた理由を教えてください。

依頼先を検討するに当たって、住宅業界に特化しているコンサルティング会社数社と話をしました。その中で、当社の特徴や目指す姿を理解してくれたのがリブ・コンサルティングでした。すでにフォーマット化されているコンサルティングを導入してもつまらないですし、コンサルティングに必要なデザインやツールを揃えている会社もあったのですが、それもやはりパッケージ化されていて、われわれが期待するものと違うなと感じました。当社としては会社のユニークさなどを踏まえつつ、カスタマイズして支援してくれる会社が理想でした。その要素を持っていたのがリブ・コンサルティングだったのです。

当社にもパッケージ型のコンサルティングがあり、その方法を提案することもあります。ただ、今回のケースでは藏持様ならではの尖った特徴を生かすことが重要で、業種や国境にとらわれない事業展開を支えていくためにパッケージ型では不十分だろうと判断した経緯がありました。

そのような点を理解してくれたのもリブ・コンサルティングに依頼した大きな理由です。当社は、くくりとしては建築会社に含まれるわけですが、大きな時代の流れとして、今後は業種や業態を縛るのではなく、持っている技術で何をするかが重視されるだろうと思っています。建築屋だから建築だけ行うという発想はありません。家づくりの技術を持つ会社として、家やライフスタイルに関わるあらゆるものを商材と捉えながら、“日本の文化のプラットフォーマー”を目指したいと思っています。


藏持様の未来像を見据えると、建築会社としてくくることに無理がありそうですね。

そうなんですよね。例えば、同業他社の方と話をしていると、当社の事業戦略ではお金にならないと言われることがあります。確かにその意見は正しく、効率よく稼ぐ方法は他にありますし、伝統を革新していくよりも土地を仕入れて建売を売る方がもうかる可能性が高いでしょう。その点から見ると、当社は既存の建築会社が行っているような事業づくりが下手なのだと実感しています。ただ、そのような事業は当社がやらなくてもいいという考えもあります。われわれにしかできないことにこだわりたいですし、普遍性、社会性、倫理性、日本人的であることなどがひもづいていく事業をしたいというこだわりがあるのです。

国内市場の競争が厳しくなっていくとはいえ、そこで思い切って海外に目を向けるのも同業他社にはあまりない視点ですね。

はい。海外に出たいという話をすると、ほとんどの人が住宅事業で海外進出は難しいといいます。それも住宅や建築というくくりにとらわれているためで、国内にもまだチャンスがある、先に国内で事業を広げましょうといった話に収束していくのです。その点、リブ・コンサルティングは「海外、面白いですね」と乗ってきました。リブ・コンサルティングがバンコクや韓国に拠点を持っていることも影響していると思いますが、グローバル目線で話ができる社風があったこともリブ・コンサルティングに依頼した理由です。今は中期経営計画の策定を支援してもらっていますが、その過程でも、当社のコンセプトやビジョンを理解してくれていると感じています。海外を見ているわれわれにとってどんな情報が重要なのかをすぐに把握してくれますし、必要な資料を用意してくれるので助かっています。

今後の展望を教えてください。

事業コンセプトである「Next TRADITION」に重点を置きながら、日本の文化やデザインを世界に広めていきたいと考えています。また、前述した日本の文化のプラットフォーマーを目指すという点では、当社の新たな取り組みである縁プロジェクトに力を入れたいと思っています。縁プロジェクトは、当社や私個人との付き合いを通じてあらゆる分野のプロをつなぐもので、多様なジャンルから日本文化の担い手たちが参加してくれています。暮らし方のこだわりは人それぞれで、こだわりを実現するためには建築という枠を超えたさまざまなアイデアが必要になります。

縁プロジェクトが伝統的な技術や革新に向けた斬新なアイデアを集めるプラットフォームになるわけですね。

はい。数寄屋建築を起点とする伝統的な家づくりを踏襲しつつ、縁の中から生まれる革新性を加え続けていくことで、お客様が求める唯一無二の暮らしをプロデュースし、われわれ自身も唯一無二の会社に成長していきたいと考えています。

UPDATE
2019.11.20
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