Works

成果事例


お話を伺った方

有限会社不動産企画ウィル
代表取締役 佐藤 真一 様

 

Company Profile・・・・・・・・・・・・・・・
2004年設立。北海道函館市を拠点として規格住宅を中心に販売。函館エリアでは6年連続で新築棟数のナンバーワンを獲得。2019年に湘栄建設(神奈川県)をM&A、また都内拠点としてエルイーデザインを設立。首都圏展開に乗り出す。

不動産企画ウィルの事業内容を教えてください。

当社は1,800万円から2,400万円くらいまでの規格住宅を扱っています。創業は2004年で、2013年以来、函館エリアにおける新築棟数で6年連続ナンバーワンを獲得しています。ナンバーワンのきっかけとなったのは、ゼロキューブへのFC加盟でした。当社はゼロキューブのFC加盟第一号なのですが、一目見て、一瞬で記憶される広告映えする商品だと感じました。住宅業界の常識に反した、アットランダムな窓の配置など、「お客様の記憶に残るデザイン」がWEBも含めた今後の集客につながるだろうと考えたのが加盟の理由です。現在は北海道仕様にアレンジしたCUBE+という自社のオリジナル規格商品を中心に、少し価格帯が高いCoCo-tiqueminiprotなどのブランドも扱っています。

6年連続でナンバーワンを維持している理由はどこにあるのでしょうか。

函館は人口26万人ほどの市場で、当社はその周辺を含めて30万人ほどのエリアで事業展開しています。当然、大手ハウスメーカーやパワービルダーもシェアを持っていますので、その中でシェアを取るための強みが必要です。当社の場合、その強みに相当するのが設計コーディネート力と企画力です。最近のお客様は、モノを持つよりも「楽しく使う」「楽しく使っている時間」を欲しています。規格商品はどうしても単調になりがちですので、ハコモノをハコモノと見せず、そこでどういう暮らし方ができるのか、という提案をしています。モデルハウスも外観・家具には強いこだわりを持って企画しています。感性が合うお客様をのみを集客し、接客するようにターゲットを絞っているので、営業の生産性も高くできています。

現在の事業戦略について教えてください。

手がける住宅の割合は、規格住宅が7割、自由設計が3割くらいのバランスで事業を展開しています。主な販売チャネルはWEBを活用したモデルハウス集客で、新規来場者数で年間400組、そのうちの90組前後から契約をいただいていますので、契約率は22%ほどです。契約率の高さは、ターゲットの絞り込みを徹底していることが要因です。感性が合うお客様に対して集客・追客し、購入動機のヒアリングはかなり深く聞き出していきます。合わないと感じるお客様には、強く要望をいただかない限りは追客しません。さらに、競合がいる間は、絶対にプランを書かないようにしています。その間に離れてしまうお客様もいますし、クレームになることもありますが、最終的に1割のお客様に気に入っていただければいいと思っています。市場の1割を取れればナンバーワンになりますので、ブレずに絞り込んだマーケティングを行っています。実際に契約していただけるお客様に集中することで、生産性の高い活動と、顧客満足もいただけていると思います

規模拡大を目指していく上で、外部コンサルタントを活用しようと思った理由を教えてください。

会社を大きくしていくためには、会社全体で共有する業務の「型」を作る必要があると思いました。型とは、正しい標準的な業務の手法やルールのことです。独自のやり方で業務を進めている社員もおり、各業務を可視化し、共有できるようなガイドラインがあれば、より生産性を高められると考えました。ただ、社内では家づくりの実務しかしていません。自分たちで型を作っていくのは難しいと思い、外部の力を活用しようと考えました。実務に大きく影響するものではないにせよ、やらなくてはならない部分ですから、他の業務や人手不足のため後回しにしがちです。また、自社で取り組む場合、正しいか、ではなく人間関係の馴れ合いなどが生まれる可能性もあると思いました。その点、外部の人はしがらみがありません。緊張感を持って取り組むことができ、成長に向けた取り組みが機能しやすくなると考えたのです。

型が大事だと考えたのはどうしてですか。

規格住宅を高回転で回していくために、型を作ることで業務の生産性向上と品質の向上・顧客満足の向上の両立が可能だと考えました。以前はスタッフのモチベーションも業務に対する理解もバラバラな状態でした。スタッフそれぞれが個々のフローで作業するため、どういうやり方が正しいのか曖昧で、できている、できていないといった判断もできなかったのです。しかし、型があれば、どうやればよいかという基準ができます。もちろん、全員が型の通りに行動するわけではありませんが、スタッフの間で誰がきちんとやっているかわかるようになります。自分の基準で勝手な型を作るのを防ぐことができますし、型の良しあしを考え、ブラッシュアップしていこうと考えるスタッフも現れます。今はまさにその段階で、リブ・コンサルティングとともに作った型を運用しながら、レベルアップさせているところです。

型を作った具体的な効果としてはどのような変化がありますか。

パフォーマンスや生産性は着実に向上していると思います。以前は、受注残がたくさんあったこともあり、契約から着工まで6カ月待ちの状態でした。型を作り、運用し始めたことで、現在は着工まで30日でできるようになりました。もちろんコンサルタントに入ってもらったからといって、それだけで成果が出るわけではありません。最後は自分たち次第だと思っています。コンサルティングを受けた内容をベースに、経営者・社員、みんなで磨き続けて、今の形になってきたと思っています。例えば、型として定めたことが社内の共通言語となり、指標を踏まえた会話が噛み合うようになりました。また、型の通りに業務が進まなかった場合、型に照らし合わせることでスタッフ当人もそのことを自覚しやすくなります。何ができていなかったか、どこを改善すればよいかといったことを自分で考え、スタッフ個々のセルフコントロール力が高まったことで、チームワークも機能しやすくなったと感じます。ただ、型が形骸化しつつある部門もあったので、現在の現実に合った型にブラッシュアップしている最中です。

改善に取り組んだ感想を教えてください。

型作りは会社の成長を下支えする重要な改善ですが、地味な作業です。営業力アップや人財採用などのように即効性の見込めるものとは違うため「いつやってもいい」「今じゃなくてもいい」と、後回しにしてしまうこともあります。その点から見ると、タイミングを逃さずに取り組めたのはよかったと感じます。また、自社の弱点や長所は、自分たちで思っているほど見えていないとあらためて感じました。例えば、客観的に見ると、できていない業務をスタッフ当人はできていると思っていることがあります。生産性が低いやり方が当たり前になっていて、そのことをスタッフや会社が気づいていないこともあります。リブ・コンサルティングには、そのような点を的確に指摘してもらったと思います。今後、一つはウィークポイントを指摘してほしいです。外部の視点として、できていると思っていることが実はできていない、ということを指摘してくれるのはありがたいですね。二つ目は強みを伸ばすことの提案です。個人の知恵やノウハウを整理して可視化しブラッシュアップし、組織の成長の力として長所を伸ばしていくような提案も期待しています。

今後の展望を教えてください。

当社は函館発の会社ですが、函館で完結しようとは思っていません。2019年のM&Aを足がかりにしながら、将来的にはグループ全体で売上100億円くらいまで持ち上げたいと思っています。市場が減少傾向の地方都市でナンバーワンだから、このくらいでいいんだという限界を超えて会社・スタッフを成長させたいと思っています。規模が大きくなることは長く勤めてくれるスタッフにとってもメリットになるはずです。規模が大きくなれば、スタッフが中長期的に成長できる可能性も大きくなります。スタッフの限界を引き上げていくという点で、会社の成長はまさにこれからだと思います。成長路線を歩んでいく上で、リブ・コンサルティングとともに作った型が重要になるでしょうし、地域で築いたナンバーワンの強みを、より強い武器に磨いていくため、今後も業務プロセスの改善をはじめ、システムやツールの更新といった点で力を借りたいと思っています。

UPDATE
2019.10.08
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