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若手強育Vol.4 ゴール達成志向のスケジューリング

■はじめに

各社とも、新卒・キャリアを問わず、若手メンバーの育成や早期戦力化という

テーマは関心が高く、問い合わせも多い。

 

 

弊社の若手向けのサービスである「営業サバイバル合宿」にも

毎回多くの若手メンバーにご参加いただいている。

 

 

 

そうした中で、今回は社内における若手メンバーの時間の使い方に着目し、

「正しい仕事の振り方」

についてお伝えさせていただきたい。

 

 

 

 

■若手社員の成長とは

 

 

 

マネージャーは若手社員の成長に必要なことは何だと考えているだろうか。

若手社員の場合、営業や設計、工事といった直接成果に直結する仕事以外にも

様々なことを覚える必要がある。

 

 

 

例えば、社内の事務手続きや会議の際の会場設営、

場合によっては宴会での盛り上げ役などである。

 

 

 

自分では仕事の優先順位をつけられない若手社員は、

例え雑用であったとしても目の前のことを一つ一つ一生懸命取り組むはずである。

 

 

 

しかし、ベースとしてそれらの仕事がどのように成長に結びついて

いるのかを実感できないまま、ただやらされているというだけでは、

せっかくの時間が無駄になってしまいかねない。

 

 

 

どんな仕事にも本来意味はあるはずで、例えば会議の設営であれば

上長たちの貴重な時間を無駄にしないスムースな会議運営という形で

組織への貢献につながっているはずである。

 

 

 

業績面ではすぐに貢献することが難しい若手にとって、

組織への貢献は成長の第一歩と言えるのだ。

 

 

 

若手メンバーを預かっているマネージャーたちにはぜひ、

若手の成長というゴールの視点を持って仕事を割り振っていただきたい。

 

 

そのための具体的な方法を次に紹介したいと思う。

 

 

 

 

■週間のゴールを設計する

 

 

 

御社の若手は日々の仕事のゴールを明確にできているだろうか。

 

 

またそれは、どれくらい先のゴールとして設定されているだろうか。

 

 

 

例えば、「10年後、部長になりたい」というゴールがある若手が、

ゴールにたどりつくために今月、今週何をするべきかを考えることは、

決して容易ではない。

 

 

 

一般的にゴールまでの期間が長く、現状とのギャップが大きいほど、

達成までの道のりは長く複雑になる。

 

 

 

前述の部長職をゴールとするならば、身につけなければならないのは

 

「問題解決能力」

 

「管理能力」

 

「リーダーシップ」

などである。

 

 

そして、身につけるべき能力に優先順位をつけながら、

成長の機会を創出していかなくてはならない。

 

 

 

逆にゴールまでの期間が短いほど、より鮮明にゴールを設定することができる。

つまりゴール設定はより身近なゴールであればあるほど、

今日、明日に何をするべきかが明確になる。

 

 

 

どのくらいの期間でゴールを設定するべきかは仕事の内容によって異なるが、

一般的には1週間か2週間単位で考えてみるのが良いだろう。

 

 

 

 

 

■ゴールを達成するためのタスク

 

 

 

ゴールを明確にしたら、次に気を付けるべきことは何か。

 

ゴール達成のために、特に留意すべきことを3つお伝えする。

 

 

 

 

1)ゴールをブレイクダウンしてタスクを洗い出す

 

 

ゴールを設定したら、そのゴールをどうすれば達成できるかをブレイクダウンし、

タスクとして洗い出した上で取り組んでいくことが重要である。

 

 

 

よくあるケースは、タスクベースで仕事を振ってしまい、

それが何のためなのか、ゴールは何なのかが結びついていない、

という指示出しの仕方だ。

 

 

 

目的やゴールが不鮮明なタスクは、タスク自体が目的化してしまい、

頑張っても成果に結びつかないことが多い。

 

 

 

一方で、目的やゴールだけを若手に伝えてタスクを任せっぱなしにしてしまうと

適切なタスクが設定できず、抜け漏れが生じたり、

無駄なタスクばかりこなしてしまうということになりかねない。

 

 

 

従って上長は、若手に仕事を振るときは必ずゴールの確認とともに

必要なタスクを一緒に洗い出してあげることが大事になる。

 

 

 

2)一つ一つのタスクに必要な工数が適切に設定されていること

 

 

ゴール達成に必要なタスクが洗い出せたら、次にそのタスクを完遂するために

必要な工数(時間)を算出することも重要だ。

 

 

 

経験の浅い若手メンバーの場合、それらのタスクに掛けるべき時間を

適切に見積ることが難しいため、無駄に時間を掛けてしまったり、

あるいはしっかり時間を掛けて質を高めるべきタスクを

安易に済ませてしまったりすることが多いからだ。

 

 

 

タスクの目安工数を設定することで、求められる質のレベルをすり合わせることが

できるだけでなく、時間を意識しながら仕事に取り組むため

生産性向上にもつながりやすい。

 

 

 

そして毎週、見積もった工数と実際に掛かった工数の比較をしながら

効率的な仕事の仕方ができていたかを振り返ることで、

仕事の進め方をどんどんレベルアップすることができる。

 

 

 

 

3)最後にスケジュールに落とし込む

 

 

ゴール達成に必要なタスク、目安工数が算出できたら、

あとは優先順位をつけてスケジュールに落とし込めばよい。

 

 

そうすることで、タスクの抜け漏れがなくなり、また、

無駄な仕事も防止することができる。

 

 

 

 

■まとめ

 

 

 

日々のタスクに追われ、ただ仕事を「こなす」だけでは、成長実感は得られない。

 

 

また、成長実感が得られなければ若手メンバーのモチベーションも下がっていく。

 

 

ゴールから逆算されたタスクをこなすことで、達成感を持つことができ、

それが成長につながっていくのだ。

 

 

 

若手教育を担っている上長の方にはぜひ「正しい仕事の振り方」を

意識していただきたい。