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若手強育Vol.13 タイムマネジメント力を鍛える

●タイムマネジメントの重要性

当たり前だが、1日は24時間しかない。

例えば、そのうちの8時間を仕事に使っているとすると、

1週間で6日勤務した週の場合、48時間が業務に使える時間となる。

 

 

 

部下がおらずプレイヤーとして働いている分には、

この48時間をいかに効率的に使い、成果をあげるかが勝負となる。

 

 

場合によっては残業して、1日12時間、14時間と

無理して働くこともあるだろうが、

一人で使える時間にはやはり限界がある。

 

 

 

そこに部下が入ると、今まで1人で48時間しか使えなかった時間が、

2倍、3倍へと拡大し、チームとしてより多くの業務をこなし、

より多くの成果を出せるようになる。

 

 

 

部下を持ったら、この全員の時間をいかに使うかが、

チームの成果を決めることになり、部下の成長スピードを決めることになるのだが、

皆様は、部下の時間の使い方をどこまで管理出来ているだろうか。

 

 

 

多くの企業の場合、各メンバーは複数の仕事を並行して抱えていることだろう。

 

 

しかし若手メンバーの場合、複数業務をかかえることに慣れておらず、

仕事をどういう順番でこなしていけばベストなのか、

上手く設計出来ないケースも多い。

 

 

 

また若手メンバーの場合、どうしても突発的な雑務を依頼されることも多く、

成長に必要な業務、成果を出すために必要な業務が後回しに

なってしまうこともある。

 

 

そうならないためにも、上司が部下のタイムマネジメントを

行うことが大切となる。

 

 

 

●2週間のスケジュール設計

 

 

 

まず、部下の手帳を見て頂きたい。

来週、再来週のスケジュールはどのように設計されているだろうか。

 

 

 

このときに注意頂きたいのは、部下の予定の立て方が単なる「アポイント管理」

に留まっているか、あるいはきちんと全ての業務の「スケジュール管理」

が出来ているか、という点である。

 

 

 

・アポイント管理・・・会議や商談等、約束された予定のみの管理

・スケジュール管理・・・資料作成などの業務の遂行時間も含めた予定の管理

 

 

多くの場合、アポイント管理は誰しも行っているが、

問題はスケジュール管理である。

 

 

 

例えば、ある月曜日の予定。

 

 

・  9時00分~ 9時30分 : 朝礼

・  9時30分~10時00分 : メール、TEL

・10時00分~12時00分 : 営業会議

・13時00分~15時00分 : ○○邸の資料作成

・15時00分~15時30分 : 移動

・15時30分~17時30分 : 商談

・17時30分~18時00分 ; 移動

・18時00分~18時30分 : メール、TEL

・18時30分~19時00分 : 日報作成

 

 

 

このように、アポイント以外の時間の使い方を、

来週、出来れば再来週まで設計出来ているかどうか

しっかりと見る必要がある。

 

 

 

●業務の優先順位づけとスケジュールレビュー

 

 

 

こうしたスケジュールも、業務量が少ない時には問題なく立てられるが、

問題は大量の業務を抱えた場合、優先順位の高い業務に集中出来るように

スケジュールを設計できるかどうかである。

 

 

 

若手メンバーの場合、業務がいっぱいになってしまうと、

何が優先なのか判断がつかないケースも多い。

 

 

 

そこで上司は、部下が成果を出す上では多数ある業務の中で

何が重要で、何を優先的に行うべきかを判断し、

優先順位の低い業務については、場合によっては、

社内で納期の調整などをして、部下が優先業務に集中できる

体制を作ることが大切となる。

 

 

 

営業メンバーであれば、どのお客様を優先的に追いかけて、

逆に見込みの薄いお客様は優先順位を下げるということも必要である。

 

 

 

この見極めは中々若手メンバーには出来ず、時間の使い方が分散してしまい、

本来優先的に追いかければ決まるはずだったお客様を逃してしまう、

ということになりかねないからだ。

 

 

 

このような点も含め、週の終わりに、その週の振り返りと

来週のスケジュールを確認する「スケジュールレビュー」を行うことで、

部下の毎週の時間の使い方を管理すると効果的である。

 

 

 

以下に、スケジュールレビューを実施する流れを記載させて頂く。

 

 

 

(スケジュールレビューの流れ)

①    今週の気付きの振り返り、気づきの深堀

②    来週のゴールと重点タスクの確認

③    来週のスケジュールの確認

④    スケジュールの抜け漏れの確認

⑤    工数オーバー状況への対応(重点タスクに集中出来る状態を作る)

⑥    重点実施事項の確認(重点タスクに対する意識づけ)

 

 

 

●終わりに

 

 

 

どのような若手メンバーであっても、

1日の時間は24時間平等に与えられている。

 

 

この毎日の時間を、成果を出すために、成長するために、

いかに戦略的に使えるかどうかで1年後の成長度合いは変わってくる。

 

 

 

若手メンバーが早期に成長できるよう、上司の皆様が日々の時間の使い方を

サポートしていただきたい。