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中国・ASEAN現地法人のこえ vol.6 日本本社の国際税務のポイント

海外人事・労務のポイントに引続き、日本本社が「国際税務」上気をつけるべき事例をご紹介します。

税務リスクの怖い点は、「あとからやってくる」ことです。

日常の業務でまったく意識せず進めていたことが、税務調査によっていきなり指摘され、過去数年間にわたってさかのぼり税金が徴収されることがあります。

また、本当は税金の一部を取り戻せていたのに、手続きを行わなかったせいで払い損になってしまうこともあります。

このような事態をなるべくさけるために、日本本社には想定されるリスクを事前に察知して、対策を練ることが求められます。

 

1.予想外の税金が発生するケース

日本と海外では、税務上の立場が異なります。
そのため、取引時点で問題ないと認識していても、税金を確定する段階において、日本または海外から予想外の課税処分を受けてしまう事例があります。

たとえば、表1のようなケースです。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いままで税務当局に指摘されたことはないものの、上記のような取引が行われていたりしないでしょうか。

指摘がなされたあとでは、税務当局からの主張に防戦一方となってしまうことがほとんどです。



2.税金の払い損となっているケース

表1のような事例以外にも、一つの取引に対して日本と海外の両方で税金を払っており(二重課税)、企業としては税金を「取り戻さなければいけない」のにそれを忘れている可能性があります。

たとえば、表2のような事例です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような二重課税に対して日本では外国税額控除という制度が設けられており、二重課税が回避出来るケースがあります。

しかし、これを知らずに手続きをしないと、日本・海外の両方で税金を払っておしまい、ということになりかねません。

日本本社としては、まずは海外との取引についてリスクの洗い出しを行い、「それは気付かなかった…」という状態を回避して、対応の姿勢・方針を明らかにしておくことが必要です。

 

 

※本記事は、弊社の提携パートナーである、みらいコンサルティンググループによるものです


【みらいコンサルティンググループ会社紹介】
1987年創業。従業員数約200名(海外拠点を含む)。
日本国内に9拠点、海外(中国・ASEAN)5拠点に加え、
ASEANにジャパンデスク9拠点を有する。
公認会計士・税理士・社労士・ビジネスコンサルタントが一体となる
「チームコンサルティング」により、中小中堅企業のビジネス展開を
経営者目線から総合的にサポート。
株式上場支援、働き方改革の推進、組織人材開発、
企業を強くする事業承継やM&A、国際ビジネスサポート等で
多数の支援実績がある。

国際ビジネス支援サービス紹介(みらいコンサルティンググループWEBサイト)

第○条 (定義《例》)

この規定において、海外赴任社員とは、1年以上の期間にわたり、海外の現地法人・支店・営業所・駐在員事務所等に勤務する者または出向することを命ぜられた者をいう。