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コラム


ベンチマーキング

御社には、「ベンチマーキング」という文化がありますか?

「ベンチマーキング」とは、社内外の良い事例 (仕事の仕方)を学び、

それを真似ることで成果を出そうという手法のこと。

 

 

「売れている人の方法をマネする」という、一見簡単なやり方だけに、

比較的取り組みやすい経営改善の手法といえる。

 

 

そうはいっても、営業の現場でこうした「ベンチマーキング」が

日常的に行われているかどうか。

 

 

これは、組織によってバラつきがあるのではないだろうか。

 

 

事例をもとに考えていきたい。

 

 

 

【ケース:ベンチマーキングの風土がない企業】

 

 

 

A社の住宅営業マンは、中途採用の即戦力ばかりで固められている。

 

 

メンバーの多くは、大小さまざまな規模の住宅会社で、

店長を務めていた者ばかり。

 

 

そのうちの何人かは、前職では何年もトップセールスだった

ほどの実力者。

 

 

それほど優秀なメンバーがそろっているA社だが、

業績を見てみると、大苦戦中・・・。

 

 

決して、怠けているわけではない。

 

 

それぞれが実績を残そうと必死になっているが、

一向にうまくいかない。

 

 

 

なぜ、業績が上がらないのだろうか。

 

 

 

実は、A社の営業マンたちは、もともとは実力も実績もあるだけに

基本的に個人に任せっぱなし。

 

 

いわば「一匹狼の集まり」で、自分の売り方に問題がないか、

社内の誰かにアドバイスを求めることもない。

 

 

そして、それぞれが目の前の案件に必死になるあまり、

社内の会議には、全員が揃うことは滅多にない。

 

 

A社で起きていた問題は非常にシンプルである。

 

 

営業マンが個々の経験を頼りに動くあまり、

「今、A社の商品を売るにはどうすればいいのか」

それを皆で考えることができていないのだ。

 

 

少し極端な例だが、

「中途採用の経験者だけを採用している住宅会社」では、

似たような事例は意外と多いのではないだろうか。

 

 

これだけ急激に、市場環境が変化している中では、

「過去の成功体験」が通用しづらくなっている。

 

 

お客様の価値観が大きく変化しているうえ、色々な価格帯の

競合が増え、競争が激化している。

 

 

こうした激変する環境の中で必要になってくるのは

「経験」に学ぶのではなく、「今の成功事例」から学ぶこと。

 

 

そして、最も簡単なのは、「自社で成果が出た手法」を

社内全体に共有することである。

 

 

だが、営業マン個人任せにしていると、なかなか

「活きたノウハウ」は共有されない。

 

 

各自が、自分自身の活動で手いっぱいになってしまい、

とても仲間のために自分の知恵を出す、という余裕がないからだ。

 

 

では、どうすればいいのか。

 

 

 

ポイントの1つは、会社の仕組みとして

「ベンチマーキングが促進される制度」をつくること。

 

 

 

たとえば、「朝市」という手法を取り入れてみてはどうだろうか。

 

 

朝市とは、定期的に、「全営業マン」が集まり、それぞれ工夫して

作ったツールやトークを共有しあう、情報共有の場。

 

 

そのツールやトークをどのように使っているか、どんな成果が

出たかも合わせて共有する。

 

 

いわば、会議を「市場」に見立て、情報を「売り買い」するのだ。

 

 

その際に、大事なルールが一つ。

 

 

朝市に「出品しなかった」、つまり、情報を持ってこなかった拠点は

その日の朝市は参加禁止。

 

 

「他人が作ったノウハウにタダ乗りするだけ」は許さない。

 

 

参加する営業マンとしても、他の人が作ったツールをもらえれば、

商談の準備が非常に楽になる。

 

 

そのためには、ギブ&テイク。

自分たちのノウハウも、どんどん提供してもらうのだ。

 

 

この「朝市」を定期的に行っていくことで、

社内で成功事例を共有することが当たり前になり、

ベンチマーキングが「企業文化」になっていく。

 

 

もう一度、考えてみよう。

 

 

社内で、成功事例は共有されているだろうか?

そして、それを他のメンバーがマネすることができているだろうか?